売り込みで終わる整骨院、信頼が残る整骨院。分かれ道は『患者の未来』だった

Zoom画面の向こうで、私はひとつの数字を聞いた瞬間に背筋が伸びました。
「90%以上、私がしゃべってましたので…」
これはロープレ道場での先生役の参加者ご本人の振り返りでの発言です。
ここから先に何が起きたのか。なぜ提案が重くなったのか。今日はその流れを追っていきます。
失敗は「説明不足」ではなく「説明過多」から始まっていた
こんにちは。YMC株式会社の山本です。YMCではZoomで「ロープレ道場」を定期的に開催しています。
参加者は私(山本尚平)と、複数の先生の皆さんです。
この日のテーマは、寝具(ホルミシス効果のある敷きパッド、29,800円)を、肩こりで3回通院している60代女性へ提案する場面でした。問診票には「睡眠が浅い」とあります。
この時点で「よくある提案練習だな」と感じる先生も多いはずです。
ですが今回は、整骨院経営者が思わず「うちも同じかもしれない」と立ち止まる材料が、はっきり残りました。
最初に結論を急がず、まずは実際に何が起きたかを見てください。
実況で追う、提案の失速ポイント
ロールプレイが始まると、先生役の参加者の説明は一気に進みました。
ホルメシス効果、ラジウム、温泉、テストステロン…。
専門知識は豊富です。内容そのものを否定する必要はありません。
問題は、患者側の受け取り準備より説明速度が先行したことでした。
この場面の象徴が、患者役の参加者の実際の発言です。
「ちょっとよくわからないですけども」
ここで提案をどうつなぐかが分かれ道になります。
しかし結果として、患者さん役の先生の反応が思ったようなものではなかったので、この提案は曖昧に終了しました。
先生役の参加者はあとで、次のように自己評価されています。
「90%以上、私がしゃべってましたので…」
この自己分析は非常に重要です。知識があるほど説明は増えます。説明が増えるほど、患者の疑問に入る余白が減る。整骨院の現場でよく起きる構図です。
「丁寧に説明したのに、なぜか刺さらない」という、あの感覚です。
患者さん役の方のフィードバックからは、失速の原因として下記のようなコメントがありました。
「まだこの十分こう温まってない状態で商品を提案されると、あ、売り込みをかけられたっていうちょっと体験がありました」
「まずその興味が出てきてるっていうところに立ったら、ホルミシス効果とかもラジウムとかも聞く耳が立っていると思うんですが」
これ、よくあることですが、興味があるってなる前に商品の情報が入ると、相手には「説明」ではなく「売り込み」に聞こえる。ここは、現場でそのまま再現されやすいポイントです。
失敗の正体と、現場で使える改善手段
今回のロープレ道場で確認できた失敗の正体は、「売ること」をゴールに置いたことで 、患者さんが買わないなということが分かった瞬間に 提案をやめてしまったということが起こりました。
でも「患者さんが欲しい未来を提供すること」をゴールとしていたら、普通にその患者さんが今すぐ買わなかったとしても、「実際にこのマットを体験をしてもらう」ことを、違和感もなくできると思うんですね。
いきなり売るのではなく、患者にとっての変化確認へ会話を移すことです。ここが、提案を「売り込み」から「支援」に変える分岐点です。
文字だけで分かった気にならず、次は体験しませんか?
今回の内容は、Zoomのロープレ道場で実際に出た発言で構成しました。派手な成功談ではありません。
むしろ「あるある」の失速場面です。だからこそ、多くの院にとって実用的です。
- 施術者が90%以上しゃべってしまう
- 患者の「よくわからない」で会話が止まる
- 売ることがゴールになって、患者さんの反応が悪いと提案を引っ込める
この3つに少しでも心当たりがあるなら、改善余地は大きいです。
ここでひとつだけ正直にお伝えします。
こういう気づきは、文章を読むだけだと「分かった気になる」ことが多いです。
実際に患者役・提案役を体験すると、はじめて身体で理解できます。
YMCのロープレ道場は毎週水曜日に定期開催しています。












