売り上げをアップさせる解決策は一つではない

2013年9月14日

「ある問題に対して『ドーデモイイ』という解決法のある事に気の付かぬ人がある。何事でもただ一つしか正しい道がないと思っているからである」

寺田寅彦(出久根達郎『百貌百言』文春新書)

おはようございます。YMC株式会社の山本です。

2020年のオリンピック開催が、東京に決まりましたね。

滝川クリステルの「お・も・て・な・し」が印象に残ったプレゼンテーションでした。

東京オリンピックといえば、1940年に一度開催しておりますが、当時、このオリンピックの招致に尽力した人物がいます。

その名も、杉村陽太郎。

戦前にイタリア大使やフランス大使を歴任した、外交官です。

1933年(昭和8年)にIOC委員に選ばれ、1940年の東京オリンピックの招致に大きく貢献したそうです。

彼は、かなりの豪傑だったらしく、高等文官試験(いまの国家公務員試験)を受けたときのエピソードが、今に伝わっています。

筆記試験で、やけに小難しい問題が出たわけですが、杉村は白紙で提出しました。

続く、面接試験でそのことを問われ、彼はこう答えたと言われています。

「私が外交官になったら、あんな問題は属官に調べさせます」

面接官はうなづき、杉村は合格しました。

「ドーデモイイ」という解決策を、試験する側も受験する側も知っていた、昔話です。

売り上げをアップさせる解決策は一つではない

我々のような「集客を教える」ような仕事をしていると、

「何をやれば、一番効率よく集客できますか?」とか「PPCの広告費っていくらくらい使えば集客できますか?」

など「唯一の答え」はないものかと、質問をされます。

これって、

「何回女の子に告白すれば結婚できますか?」とか「何をやれば、効率よく結婚できますか?」

という質問と一緒です(笑)

こんなものに、答えなんてありません。

恋愛ならアタリマエのことが、ビジネスになると麻痺してくるわけですね。

唯一の答えを知りたくなるのです。

そんなものは、存在しないし、

「やれることは全部やってください。正解はありません」

と答えるしかないんですね。

成果の上がらない方は、「答えは常に一つで、それを答えを導きさえすれば、すべての道はひらける」と、勘違いをしているように思えます。

答えは複数あり、それは行動してみなければわからないし、常に正解は変わるのだと、知らないのです。

人間の本能なのか、日本の教育システムが悪いのか分かりませんが、仕事であれ、人付き合いであれ、目の前に問題を差し出されると、『唯一絶対の答え』を見つけなくてはならないと強迫観念に駆られがちです。

方法はいくつもありますし、時期や状況によっても変わります。

●地域性
●ライバルとの関係
●得意分野
●資金力

様々な状況を加味すれば、答えは複数でてくるはずです。

是非、解決策の選択肢に『ドーデモイイ』を加えておくことをオススメします。

山本