「やってみなければ、 治るかどうかわからないもの」にお金を払う理由
YMC株式会社の山本です。
治療院が提供するサービスには、ある特徴があります。
それは
●無形であること
です。
無形であることに、メリットもありますし、デメリットもあるわけです。
見えないものを、見えるようにする
モノとして存在する製品は、それ自体が商品です。
上質な革でできた財布であれば、手で触って、感触を確かめることができます。
モノですから。
でも、僕らが提供する施術サービスは、物理的に存在するものではありません。
サービスは、モノではありませんよね?
購入前に、手にとって感触を確かめたり、匂いを嗅いだりできないわけですよ。
つまり、患者さんは、
「やってみなければ、治るかどうかわからないもの」
に、お金を払うのです。
ココで、患者さんは、このような不確実性を減らそうと「あること」をし始めます。
そう。
“目に見える証拠”
を探し始めるのです。
●場所
●人
●設備
●コミュニケーション
●シンボル
●価格
など、目に見えるものを頼りに品質を判断しようとするのです。
そこで、僕らサービス提供者は、
「見えないものを、見えるようにする」
という作業が必要になるわけです。
要は、サービスのエビデンスを目に見えるカタチで、示すことが課題なんです。
無形のサービスを具体的に目に見えるように変換すると
サービスを提供する企業は
●具体的な証拠
●プレゼン
をすることで、サービスの品質を証明することができます。
自分の治療院を「他とは違い、根本的に治す高級治療院」と位置づけたい治療院があるとしたら?
その治療院は色んな
『目に見えないものを、目に見えるようにカタチにして』
このポジショニング戦略を具体化することができます。
1.場所
外観に「激安」「無料キャンペーン」などのノボリがあるとおかしい。インテリアも癒やしサロンというより、病院的な雰囲気のほうが望ましい。
2.人
施術者は権威の象徴である白衣を着ているというような演出。施術者はガリガリの不健康そうな見た目ではなくて健康的な容姿。国家資格の免許を持ってますよ、と目に見えるようにアピールも必要。
3.設備
治療機器は、実質的にも見た目にも「最新式」「高級な機器」である必要がある。
4.コミュニケーション資料
患者さんに提供するコミュニケーション資料は、根本的に治すためのアドバイスが必要。食習慣や、生活習慣を治すための指導管理の資料も必要である。当然、すでに根本から治った人の「体験談」なども必要。
5.シンボル
治療院名は「根本的に治すこと」を連想させなければならない。
6.価格
「1回では絶対に根本解決しません。なので最低でも3ヶ月は必要で、パックで○○万円です」などと広告することができる。
こんな感じで、無形のサービスを具体的で目に見えるカタチにしなければならないわけです。
パフォーマンスとコンテクストの手がかり
現代マーケティングの第一人者と呼ばれる経済学者のフィリップ・コトラーは言いました。
『企業はまず顧客に経験をどのように知覚してもらいたいか明確にイメージを描き、それからその経験をサポートするためにイメージと一致した「パフォーマンスとコンテクストの手がかり」を設計する』
byフィリップ・コトラー(コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメントより)
※コンテクスト・・・背景・脈絡・前後関係
たとえば、
「他とは違い、根本的に治す高級治療院」のケースでは、
施術の効果や実績が、目に見えるカタチで体感や体験ができるか、もしくは扱う施術自体がパフォーマンスの手がかりですね。
コンテクストの手がかりは、施術者の見た目がキチンとしてて健康的かや、施術者が主張するメッセージは一貫性があるか、治療院の理念やコンセプトなどもこれに当たります。
僕らはこれらの手がかりを、患者さんがわかるように、設計をしなければなりません。
これらの手がかりは、可能な限り、五感すべてに訴えるようなものが良いですね。
●見た目は?
●匂いは?
●さわった感じは?
●音は?
●味は?
見えないものを、見えるようにするための、工夫をしていきましょう。
山本