「本物のプロ」が道ばたで3.5億円のバイオリンで演奏→「誰も見向きもしない」
おはようございます。
YMC株式会社の山本です。
人は「価値」を判断できません。
どういうことか?
たとえば「本物のプロ」が道ばたで3.5億円のバイオリンで演奏したとしても、
- 誰も見向きもしない
というのが現実で起こる。
つまり、人は価値を判断できないのです。
雑誌の年間購読、あなたなら、どのメニューを選ぶ?
書籍『予想どうりに不合理』に出てくる「ある大学での実験」が非常に興味深い。
エコノミストという雑誌の年間購読をオファーする商品ラインナップが下記のようにあります。
- ウェブ版だけの購読(59ドル)
- 印刷版だけの購読(125ドル)
- 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)
この中だったら、どれを選びますか?
大学生100名選ばせたところ、下記のようになったそうです。
- ウェブ版だけの購読(59ドル)→16名
- 印刷版だけの購読(125ドル)
- 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)→84名
まあ当然ですよね。
「印刷版とウェブ版のセット」のほうが、印刷版だけよりもお得ですからね。
たぶん、僕も3の「印刷版とウェブ版のセット」を購読すると思います。
ところが、下記のような選択肢にどうなるでしょう?
- ウェブ版だけの購読(59ドル)
- 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)
つまり、「印刷版だけの購読」をいう選択肢をなくしてみたわけです。
果たして、大学生たちは、前と同じ判断をするでしょうか?
まあ、「印刷版だけの購読(125ドル)」は、そもそも誰も選んでないわけだし、結果は同じだと思いますよね。
ところが・・・結果は次のようになりました。
- ウェブ版だけの購読(59ドル)→68名
- 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)→32名
この2つの選択肢だと、多くの大学生は、安いウェブ版を選んだのです。
人は、「絶対的」に価値を判断すのではなく、「相対的」に価値を判断する
おそらく、こうなった理由は、シンプル。
「おとり」である「印刷版だけの購読(125ドル)」という選択肢があるだけで、判断基準が変わったからです。
要は、「比較基準」がそこに出てくると、それを元に、安いか高いかを判断してしまうのです。
人間は、絶対的な価値ではなくて、相対的に価値を判断しているのです。
このことから、人間は比べる基準がないと「価値」を判断できないことがわかります。
だから、いきなり道ばたで著名なバイオリニストが3.5億円のバイオリンを演奏しても、
- だれも価値がわからない
ということになるんです。
あなたの施術の価値は、なにかと比べさせないと患者さんは判断できない
この事例から学べることは、いくつかあります。
1つ目は、売れなくても良いので「おとり」のメニューを作っておく。
たとえば、高額メニューを置いておくと、その高額メニューより、ちょっと安いメニューが売れるようになります。
2つ目は、他店との比較をさせる。
たとえば、治療院内でダイエットメニューを販売しているとしたら、連想しやすいライザップなどの高額なダイエットと比べて貰う。
そうすることで、自院のダイエットの価値を伝えやすくなりますよね?
こんな感じで、比較対象を作ってあげてください。
そうしないと、患者さんは、あなたの治療院の施術の価値を、判断することができないのですから。
山本