施術を売るために、施術は売らない
YMC株式会社の山本です。
「ハイボール飲んで、うぃ~~!!」
ってCMで一世を風靡した吉高由里子。
かわいいですよね。
最近、どこの居酒屋に行っても、
ハイボールがメニューにデカデカと載っています。
僕も、居酒屋に行けば、ビールの次に、焼酎かハイボールって感じですね。
ハイボールも色々と種類があって、居酒屋さんもハイボールブームに乗っかって、オリジナルハイボールを提供し始めています。
この前、東京に出張したときは、マッカランのハイボールなんてあったので、珍しくて飲んでしまいました。
もう、
●猫もしゃくしもハイボール
しかし、ハイボールを流行らせたのは、
サントリーの戦略がメチャクチャ上手く行ったから
に他ありませんでした。
若者がウイスキーを飲まなくなった
サントリーが実施したウイスキーのイメージ調査によると、
●おやじ臭い
●飲みにくい
●高い
というのが、実際の声として上がっていると、わかったんですね。
ウイスキーってのは、おしゃれなバーで、中高年がバカラのグラスで氷を
「カラーン」
と響かせながら、香りを楽しむオトナの飲み物だったわけです。
しかし、
ウイスキーの出荷量が年々下がっており、これはヤバイと。
とにかく、ウイスキーは若年層のハードルが高いし、居酒屋では置いてなかったんです。
ほとんど、ビールやカクテル・チューハイなどがメイン。
「とにかくウイスキーを若者を飲んでもらいたい」
ウイスキー離れという「悪しき伝統」から、抜け出すために白羽の矢を立てたのが、
●ハイボール
ハイボールってのはウイスキーを炭酸で割っただけの飲みもので、昔からあるものでした。
ですが現在では廃れており、ターゲットである若者にはハイボールは全く新しい飲み物。
「まずは、このハイボールの美味しさを知ってもらわねば話しにならない」
というわけで、
●ハイボールこだわり三か条+1
っていう飲み方のガイドラインを作成し、それを広めるべく、様々な広告を打ちました。
それが、あの小雪のCMですね。
あのCMに彼女を使った理由は、主要ターゲットである30代の男性と同世代で、さらにその世代からの人気が高かったから。
コンセプトは、「30代の男性に、ああいう店でハイボールを飲めばおいしいだろうな」と思わせること。
さらに、サントリーはネットを上手に活用しました。
情報発信力のあるブロガーを、ウイスキーの製造所に招待。
製造過程を見てもらい、ハイボールを振舞ったわけです。
そうやって試飲してもらい、その感想をブログに書いてもらった。
招待したブロガーの数は、なんと・・・
●1万人以上
このようにすることで、口コミで一気にハイボールは広がりました。
2011年にはハイボールの缶の売上が、前年度比で157%アップ。
今では、居酒屋といえば「ハイボールでしょ」という感じにまでなっています。
ウイスキーを売るためにウイスキーを売らなかった
ココで注目してほしいことは、これです。
サントリーは、ウイスキーを売りたいがために、
●ウイスキーを売らなかった
ハイボールを売ったんです。
ハイボールという飲み方を若者に浸透させて、流行らせてウイスキーを売った。
結果的に、材料であるウイスキーの売上を伸ばしました。
良いですか?
僕らの持っている商品や技術というのは、色んな見せ方があるということです。
機械屋さんが、機械を売らなくても良いわけです。
うどんの起業教室を開催して、生徒に自社の製麺機を売っている会社もあります。
あなたは、なにか固定観念を持っていませんか?
同じ商品や技術を持っていたとしても、「見せ方」を変えるだけで高く売れるし、ライバルが居なくなります。
つまり、
施術を売るために、施術を売る必要はないわけです。
例えば、治療院で、スポーツイベントを企画しても良いですよね?
治療院主催のスポーツイベントに、人を集めることを頑張る。
人が集まれば、自ずと施術って売れていきます。
真正面から施術を売るのが厳しい場合は、
全く違った側面からアプローチしてみるのも差別化する手段です。
山本