新規客が自動的にリピートして口コミまで起こしてくれる仕組み
YMC株式会社の山本です。
以前、僕はビリヤード店に住み込みで店長として働いていました。
閉店後のレジ締めをしながら、売上を帳簿に書き込んでいくわけですが、
「ビリヤードの売上が徐々に落ちてきているなぁ」
そんなことを思いながら、毎日を過ごしていました。
そのお店は、ビリヤード、ダーツ、カラオケ、ゲーム機とあるようなアミューズメントの施設です。
最近では、ビリヤードよりもダーツやゲーム機のほうが売上は上がっていました。
確かに、ビリヤードも、常連さんは来る・・・。
しかし、ビリヤードの一見客がリピートをしないという、ジレンマに陥っていたのです。
当然、常連さんの数は限られているし、
ビリヤードの常連さんは一人でやってきます。
しかも、ビリヤードの単価ってめちゃくちゃ安くて、1時間600円が相場なんですね。
常連さんは、2時間程度遊んだら帰ります。だから、何回も来てもらわないと儲からないわけです。
多くの場合、売上がドカンと上がるのは一見客グループなんです。
つまり、あまりビリヤードに馴染みのないお客さん。
こっちの客のほうが単価が大きいわけです。一見客のほうが飲食もしますし。
●ビリヤードの一見客はグループでやってくる
イメージとしては、ビリヤード場って、雀荘に近いんです。
最初は友達周りのグループで雀荘に行き始めて、慣れてくると、フリーで行くようになるみたいな。
そんな感じ。
つまり、
「グループで来る客がリピートしたら凄いんじゃね?」
ってことなんです。
でも、若造でビジネスのことよりも、自分がビリヤードの腕を磨くことに必死だった僕は、良いアイディアが思い浮かびませんでした。
そんなときに・・・
何かのタイミングで、県外の「その道何十年のビリヤード店」の大御所マスターが
アドバイスをしてくれたことがあります。
新規客が自動的にリピートして口コミまで起こしてくれる仕組み
大御所のマスターは言いました。
「なんかイベントをやらんと、誰もビリヤードなんてやりゃせんよ。普通に考えてダーツとかスロットのほうが面白いもん」
確かに、最近のダーツマシンやスロットなどは、楽しい演出やサウンドが画面に出て、素人でも楽しめるようになっています。
店の売上もビリヤードよりも、ダーツやスロットのほうが遥か上回っていました。
さらに、大御所マスターは教えてくれました。
「スタンプを貯めたらビリヤードのキュー(棒)をプレゼントしたら一見客は通うようになるよ。プレゼントしたマイキューは持ち出し禁止にして、この店にこないと自分のキューを使えないようにしたらええよ」
※キューっていうのは玉を突く棒のこと。初心者用のキューは、買ったら2万円~3万円くらいします。
「なるほど!」
●1ヶ月以内で5個スタンプを貯めたら、マイキューをプレゼント
っていうキャンペーンを実施するために、さっそく、安いビリヤードキューを仕入れました。できるだけ経費を掛けたくなかったので、スタンプカードも、そのキャンペーン用に新しく作ったりはしませんでした。既存のスタンプカードを流用して、手書きで要らないマスに斜線を引いて、渡します。
一回来店すると、スタンプを1個押していきます。マイキューを持ってない人だけしか適用されないという条件。これにより、一見客だけにしかキャンペーンは適応されません。
「これ1ヶ月以内に貯めたらマイキューあげます」
って一見客の大学生や高校生に渡して行きました。
「まじすか!」
って反応。
すると、若い大学生や、高校生は、マイキュー欲しさに来るわ来るわ(笑)
しかも、5人とか10人のグループで来るわけです。まあ、ビリヤード場で遊んで、なおかつマイキューまでくれるわけですからね。彼らは、こぞってスタンプを集め始めました。毎日通って、最短5日でスタンプを貯めるお客さんもいました。
このキューですが、実際の原価は1本1000円ほどの安いもの。しかし、お客さんは、キューの質を求めてなくて、自分のキューが持てれば嬉しいわけです。
イメージ的には、ボトルキープと同じ感じですね。
飲みに行く?ってなったときに、
「あそこの店に行ったら俺のボトルがあるから、行こうぜ」
って言いたいですよね?まさしく、その心理をついたものでした。
さらに、嬉しい誤算までありました。
グループのうちの数人がマイキューを貰えば、他の友だちも欲しくなるんですよね。
つまり、口コミが生まれるわけです。
スタンプを貯めた後も、キューを店において貰うようにしたので、リピートします。
そうして、一気に短期間でドカンと売上を伸ばし、前月費で2倍ほど売上をアップさせることに成功させました。
リピートする動機を作ってあげること
かかった経費は安いキューを仕入れた5万円くらいで、数十万円の売上アップですね。
「いや、さすが何十年もビリヤード場を経営してきた、大御所マスターの言うことは違うぜ~」
と思いましたね。
この方法は何にでも応用ができます。
ホント使い古されたような、スタンプカードの方法です。
手でハンコを押していくわけですが、効果があるんですよね。
実際に、タリーズコーヒーなんかでもコーヒー豆を買うとハンコを押してくれるんですが、
やっぱり、たまってくると、全部ためたくなる(笑)
ほんと、ちょっとした工夫ですが、絶大な効果がありますので、治療院でもやってみてください。
山本