同じ売上でも、ある工夫をすると急に儲かり始めます。その方法とは?
「スタッフが全員辞めたとしても店は潰れませんが、キャッシュが回らなくなった瞬間に治療院は潰れる。たとえ黒字だとしても」
おはようございます。YMC株式会社の山本です。
先日、セミナーで経営について、お話をさせていただきましたが、そのときもお話をした、
「キャッシュフローの大切さ」
についてお話をさせて頂きます。
キャッシュは商売における『王様』である
キャッシュが枯渇すれば事業の継続はできません。
手元にあるキャッシュの残高は、経営をしていくうえで最も注意しなければならない数値です。
極々、当然のことですが、あえて書きます。
治療院が黒字ならキャッシュが増え、治療院が赤字ならキャッシュが減るってことになれば良いですが、現実的にそうは行きません。
黒字でもキャッシュがどんどん減っていくことがあるし、赤字のなのにキャッシュが潤沢にあることも起こりうる。
健康保険とか、自賠責保険を使った場合の施術費は、窓口負担とは別に請求するわけですが、現金が振り込まれるのは、かなり後になります。
つまり、売上は立っているが、現金が手元にない状態なわけです。
いわゆる、これが売掛金ってやつですね。
この現金が手元にないタイミングだったら、重要な支払いなどが滞ってしまう可能性があるわけです。
「支払いの期日は明日までや!来月にお金が入ってくるはずなのに、手元の現金がなくて支払えない!」
この状態になると、帳面上は黒字であっても、事実上の倒産です。
治療院にかぎらず、ビジネスでは、このキャッシュフローが「絶対的にプラス」でなければ、超ヤバイわけですね。
「いや、別に売掛ても支払いに困ってないし、そんなに意識してなくても大丈夫やろ?」
って思う方もいるでしょうが、全くもってそんなことはありません。
同じ売上だとしてもキャッシュ・フローがプラスになるだけでこんなにもメリットが
ピンと来ない方のために、解説しましょう。
通常、ビジネスって、成長させるために何らかの投資をする必要があります。
●広告への投資
●人材への投資
●設備への投資
●仕入れへの投資
などですね。
ただ、キャッシュフローがプラスじゃなければ、当然のごとく投資なんてできません。
銀行口座の残高がギリギリならば、毎月、支払いに追われる自転車操業になってしまいますよね。
しかし、なんらかのカタチでキャッシュフローが大きくプラスに転じれば、事業を大きくさせるための投資ができるようになるのです。
治療院ビジネスだとわかりにくいですが、物販のビジネスだと凄くわかりやすくなります。
たとえば、物販ビジネスは、1万円で商品を仕入れて、2万円で売って、利益を得るというモデルですよね?
こういうビジネスは、利益が同じだとしても、キャッシュフローをプラスにするだけで、ビジネスを大きく成長させることができます。
通常、1万円で仕入れて、在庫を抱えておき、2万円で販売し、商品を渡して、1万円の利益が確定するわけです。
ここで、ちょっと工夫をして・・・
2万円で先に売っておいて、その後に、1万円で仕入れて、商品を渡すという流れにします。
しかも、仕入れの決済をクレジットなどにすると、実際の現金引き落としは2ヶ月後になります。
その間、キャッシュは残ったままなので、時差を利用することで、キャッシュフローがプラスの期間を引き伸ばすことができるわけですね。
利益は同じ1万円ですが、前者はキャッシュフローがマイナスで、後者はキャッシュフローがプラスです。
キャッシュフローがプラスである限り、会社は潰れませんし、「投資がもっとできるようになる」ってことになります。
当然、投資ができるようになると、ビジネスは飛躍的に伸びていきます。
健康保険や自賠責保険に依存している治療院は、キャッシュフローがマイナスになりがちです。
なぜならば、キャッシュインが遅いからです。
キャッシュインは、できるだけ早く、キャッシュアウトは、できるだけ遅く
先ほどの物販の事例が良い例です。
まだ商品の仕入代金を支払う前に、注文を取り、前金で売上代金をもらう限り、この会社の資金が枯渇することがありえません。
治療院でも、現実に、こうした収支モデルを実現することは難しいと思われがちですが、実際に実現している治療院もあることを忘れてはいけません。
そうですね。自費治療を回数券などのカタチで前払いしてもらうケースなどが、これに当たるわけです。
後払いで貰うようなタイプですと、税金などの支払日までに残高がなかったら、事実上、倒産してしまいます。
さらに、投資するという観点で見たときも、前払いで貰った場合は、1日目から投資ができるのに対し、後払いでもらった場合は、最終日まで投資ができません。
今回は、簡易版でのシミュレーションですが、これが現実的にも起こっているわけです。
キャッシュ・フローが悪いと、投資できるはずのお金が投資できなくなるのです。
なので、回数券などを取り入れることは、経営状態を劇的に改善させるためには、必須なのです。
そして、もう一つのポイントは、キャッシュアウトを遅くすること。支払いを出来るだけ遅くする。
たしかに事業パートナーである仕入先や、外注先に迷惑をかけてはならないです。
しかし、取引先への支払いを遅くするということは、めちゃくちゃメリットがあることは、忘れてはいけません。
たとえば、クレジットカードなどで決済をすると、実際の銀行引き落としは2ヶ月後などになります。キャッシュアウトが遅くできるわけです。
カードを使うのが嫌ならば、支払日を遅くしてもらうように頼めば良いです。
こういった施策をやるだけで、同じ利益だとしても、経営パフォーマンスに大きな差が出るわけですね。
山本