「目的」を持たせると学習意欲が大きく変わる
おはようございます。
YMC株式会社の山本です。
- 「目的」を持たせると学習意欲が大きく変わる
というお話をします。
前回、お話した「行動を変えるにはプランを立てさせろ」にも通じますが、その行動をやる「目的」を考えさせると、さらに良いです。
つまり、「目的」を持たせることで、行動モチベーションがあがるのです。
なぜ今これをやっているのかという「目的」を明確にさせると行動意欲がUPする
アンジェラ・ダックワースの『やり抜く力』という書籍の中に、こんな実験をやった研究者たちがいます。
デイヴィッド・イェーガーと同僚のデイヴ・パウネスクは、高校生を対象にエクササイズを行った。
まず、「どうしたら世のなかはもっとよくなると思いますか?」と質問した。
つぎに、「いま学校で習っていることで、そのために役立ちそうなことはありますか?」と質問した。
生徒たちはそれぞれ自分なりの回答を紙に書いた。
ある中学3年生の生徒はつぎのように回答した。
「僕は将来、遺伝子研究のような仕事がしたいです。そうしたら穀物の遺伝子組み換えを行って、食料の生産量を増やすことで、世のなかの役に立てると思うからです」
またこんな回答をした生徒もいた。
「自分がしっかりと教育を受けることで、世のなかのことが理解できるようになると思います。だからまずはちゃんと進学しないと、誰の助けにもなれないと思います」
授業を1コマ使えば行えるような簡単なエクササイズだったが、その結果、生徒たちの学習への取り組みが著しく向上した。
「目的」について考えた生徒たちは、プラセボ実験の被験者と比較して、試験勉強の時間が2倍に増えた。
アンジェラ・ダックワース『やり抜く力』より引用
どうでしょうか?
面白いですねぇ。
スタッフを教育する場合も同じことが言えますね。
- なぜ、今、この研修をしているのか?
- なぜ、今、このトレーニングをしているのか?
- なぜ、今、この整骨院で働いているのか?
- それが、どのように社会にとってインパクトがあるのか?
を自覚させ「目的」について考えさせる必要があるわけです。
もちろん、患者さんを治療をするときでも、同じことがいえます。
- なぜ、この筋肉をほぐしているのか?
- なぜ、この部分の施術をしているのか?
- ここを施術すすることで、どういうふうに身体が変わるのか?
- 最終的に、なにを実現する目的で治療をしているのか?
これを自覚させることで、行動モチベーションが上がるわけですよ。
過去の「実績」よりも、明るい「将来性」の提示のほうが行動意欲が上がる
「目的を提示すればスタッフが良く勉強するし、患者さんにとっても良いのはわかったが、うちの治療院は歴史が長く、たくさんの症例数と実績があるので、別に必要ないですよ」
という重鎮の先生もおられるでしょう。
ところが、銀行員から融資を得るためには、過去の実績は大事かもしれませんが、
スタッフや、患者さんは「実績」よりも「未来」や「将来性」に惹かれるっぽいです。
これを比較する実験をやった研究者がいます。
その研究では、フェイスブックのユーザーに、あるコメディアンに関する引用文をいくつか載せた広告を見せました。
ユーザーの半数が見たのは、
「次に天下を取るのはこの人かも」や「来年はこの人が話題を独占するかも」
といった、将来性を強調したコメントでした。
残りの人たちが見たコメントはコメディアンの実績を強調したもので、
「今いち押しなのはこの人だと、評論家が皆言ってる」や「今、話題をこのコメディアンが独占」
などでした。
(中略)
ここでも実績をより将来性を好む一般的傾向が現れました。
つまり、コメディアンの実績ではなく、将来性を強調したコメントを見たユーザーのほうが、ずっと強い興味(広告のクリック率で測定しました)と好感(リンク先で「いいね!」をクリックした人の割合で測定しました)を示したのです。
『影響力の武器 戦略編』より引用
つまり、人は「実績」よりも「将来性」にココロ踊るのです。
※もちろん「実績」はファクトになるので必要ですが
まとめると、
- 「将来性」で注意をひきつけ、その直後に裏付けとなる「実績」で補完し、「目的」を明確にさせ行動意欲をUPさせる
というのが良さそうですね。
山本