「なぜ好きか?」に対しての理由が言える整骨院をお客さんは選ぶ
おはようございます。
YMC株式会社の山本です。
- 人は「なんとなく」で買うものを選択をしている
というお話をします。
最近、行動経済学や、社会心理学などの書籍や論文を、色々と読んでます。
学習すればするほど「人間ってアホやな」と感じます(笑)
どういうことか、解説しましょう。
「なぜ好きか?」に対しての理由が言える商品をお客さんは選ぶ
一般的に、僕らは、
「施術が上手だなぁ」→「だからまた行こうか」
と患者さんが考えていると思っているのが普通です。
つまり、
- 感情が動いた→行動が発生する
と考えています。
ところが、実際に実験をすると、そうではないっぽいです。
「テイスティング方法がコーラの選好に与える影響」
という論文によると、
- 好き(嫌い)の理由を表現することのできる選択肢を選んでしまうのではないか
ということです。
本研究では,テイスティングの際に,好き嫌いの理由を意識的に分析することが,サンプルへの選好に与える影響を検討した.
参加者は,好きな理由を分析するか,嫌いな理由を分析するか,もしくは分析せずにPepsiとCokeを試飲し,それらの好みを判断した.
その結果,分析をしなかった参加者はPepsiよりCokeを好む傾向があったが,好きな理由を分析した参加者はPepsiへの選好を強めることが確認された.
嫌いな理由を分析した参加者は,PepsiとCokeに示す好みに違いがなくなった.
また,好きな理由についてはPepsiはCokeより記述しやすいと判断されたが,嫌いな理由については両者に違いがなかった.
これらの結果は,意識的に味の好き嫌いを分析するテイスティング場面では,直感的な評価と異なる結果をもたらすこと,また,サンプルの理由の記述しやすさがそうした評価の変動を増減させていることを示唆する
山田歩, et al. “テイスティング方法がコーラの選好に与える影響." 行動経済学 4 (2011): 129-132.
より引用
つまり、こういうことです。
- まず行動が発生→感情が動いた
というルートもある。
「この施術が好きである理由をあげる」
という行動をさせることで、実際に好きになってしまう、というわけです。
だから、アンケートなどで
「Q.この治療院に通っている理由を複数あげてください」
ということに答えさせるわけです。
すると、色々と通う理由を答えると思います。
通う理由を答えてしまうと、感情的にも通う妥当性を認識してしまうわけですね。
リピーターが、よりファン化することにつながります。
でも、逆に言えば、それくらい人間の判断って、ちょっとしたことで変わるんですよね。
しかし、注意点としては、
- 好きな理由を、あげやすい特徴がないとダメ
ってことにもなります。
施術が特徴的であればあるほど、好きな理由を上げやすくなる
コーラの実験で言えば、甘い、酸っぱい、炭酸の強さ、といった特徴があるほど、他より◯◯が際だっているから好き(嫌い)という理由がつけやすくなりました。
つまり、
- 理由が付けやすいということは、好きになってもらいやすい
ってことです。
実際に、「ラーメン二郎」などをみると、同じような現象が起こっています。
圧倒的な量で、にんにく臭が強烈なラーメンなんですが、特徴をあげやすいわかりやすい商品なんです。
だから、ファンができる。
※反対に嫌いな人も出るが
でも、商売で考えると、熱烈なファンがリピートをしてくれるほうが、成り立ちやすいです。
好きでも嫌いでもないっていう商品は、記憶に残らないので、あまり良くないんです。
整骨院などでで言えば、
- 強烈に痛い(うちは日本一痛いです系)
- 圧倒的に早い(3分で施術が終わる)
- とにかく高い(超高級路線)
- 昭和の頑固オヤジを貫く(星一徹系)
- なぜかショータイムがある(フィリピンパブか!)
- めちゃくちゃ接客が良い(高級ホテルに負けないくらい)
- むっちゃ威勢がよい(居酒屋的な整骨院)
- まるでエステのような高級感(女性は喜ぶかもね)
- 全員が筋肉ムキムキ(施術着がタンクトップ)
- すんごいフレンドリー(お前は友達か)
- オネェ系(マツコ・デラックス系)
- 近代的で機械がスゴイ(メガネクイッ)
- ただただチャラい(ホストやキャバクラみたい)
など、分かりやすいベタベタな特徴があればあるほど、ファンがつきやすいってことになります。
あなたの治療院は、どんなわかりやすい特徴がありますか?
山本