なぜ、映画を観た後に、その映画のレビューをくまなく調べてしまうのか?
こんにちは。YMC株式会社の山本です。
先日、映画『美女と野獣』を観に行きました。
『美女と野獣』は、有名な話なので、どういう物語なのか、知っている方も多いでしょう。
しかし、
僕は、タイトルこそ聞いたことがあるものの、全くストーリーを知らず・・・。
つまり、全くの予備知識を入れないまま、この映画を観たわけです。
ただ、この映画は、作り手の意図なのか、全く理解できない描写が多数(笑)
ストーリーとして、説明不足な部分がたくさんあるわけです。ちょっとわかりにくい。
例えば、主人公の美女が眠りについたときに“夢”をみるシーンがあります。しかし、夢が唐突に出てきて、
(あの“夢”は一体なんなの?)
と意味不明。
あとは、美女が野獣のことを、いつの間にか好きになっているんですが、美女が野獣の魅力に心を奪われていく描写が全くないのです。
なんか、よく分からないまま、映画が終わったので、一緒に観た彼女に、
「あの“夢”のシーンは何を意味しているの?」
と聞いたくらいです。
彼女はディズニーアニメの『美女と野獣』を観たことがあったので、説明をしてくれました。
「あの夢は、野獣の過去を美女に教えるために、妖精が見せたんよ。妖精の、野獣になってしまった王子を助けてあげてというメッセージよ」
「へぇ、そうなんだ」
家に帰った後、映画『美女と野獣』について、ネットで色々と調べると、
「なるほど。あのシーンは、こういう意味だったのね」
「あの俳優は、あの有名な映画にも出てたのね」
「美女と野獣って、フランスの歴史ある昔話だったのか」
といろんな事実がわかってきて、観終わって数日経ったあとに、妙に納得をしてしまいました。
ちなみに、僕が映画を観る場合、どの映画を観るかの選択権はすべて彼女が握っており、僕はそれを文句を言わずに取り敢えず観ます。
ただ、毎回、面白い心理状態を経験します。
まったく興味がない映画だとしても、その映画を観た後に、映画自体であったり俳優に興味が湧いてしまい、色々と調べたくなるわけです。
実は、この心理状態の移り変わりって、科学的に証明をされているそうです。
「お父さんが買ったレクサスが、テレビに出ているよ」
こんな経験ってないでしょうか?
車を買った後に、なぜかその車の広告が目についたり、道を走っている同じ車種の車がやたら見えるようになります。
「お父さんが買ったレクサスがテレビに出ているよ」
とわざわざ子供たちを呼びよせて、買う前にはたいして気にもせず見逃していたテレビCMを、みせたりするんです。
この現象は、
「車の選択が正しかったことを自分に納得させるための心理」
であると、マーケティングの世界では言われています。
人は、感情でモノを買い、理屈でその購買を正当化をします。
高額なローンを組んで、思い切って買った車を「こんな車を買うんじゃなかった・・・」とは、死んでも思いたくないのです。
買ってしまった車の良い部分を無理やり見つけて、「正しい買い物をした」と自分自身で納得がしたいわけです。
だから、
●買った後なのに、その車のホームページを詳しく観る
●買った後なのに、その車のカタログを詳しく観る
●買った後なのに、その車の口コミを詳しく観る
という行為をしてしまうのです。
僕の、“観た映画について、強烈に調べたくなる心理”と同じです。
観てしまった映画なので、「面白かった」と思いたいんです。
つまり、
ホームページやチラシを含め、広告というものは、
買っていない人を集客するためだけではなく、買った後の人の後悔を解消してあげるため、でもあるのです。
整骨院の新規患者さんで、ホームページなんてホトンド読まずに、予約をしてくることがあります。
僕の映画の事例なんて、まさにそうなのですが、自分で吟味せずに適当に購買をしているわけです。
●ある人が良いと言ってたから
●ネットで評判だったから
●たまたま目の前にあったから
という理由で、人は購買を決定しています。
何かを買うときって、複雑なプロセスを通じて購買を決定している、と勘違いされていますが、実はそうではありません。
意思を決定している脳みその部位は、「爬虫類脳」と呼ばれる“戦うか、逃げるか”をつかさどるような、非常に原始的な部分です。
ここでおこなわれる決断は、とても直感的で、衝動的なのです。
人間って、こんなに進化しているように感じますが、意外とアホなのです。
『あなたの選択は正しかった』と伝えてあげるとリピート率が上がる
でも、この原理を知っておくと、ビジネス的に我々ができる対策は、たくさんあります。
まどろっこしいことはせずに、買ってもらったお客さんに
「おめでとうございます。数ある選択肢の中、よくうちをみつけましたね。あなたの選択は正しかったですよ」
という内容を、“証拠”を元に伝えてあげると良いのです。
証拠というのは、患者さんの声であったり、権威のある人の推薦文であったり、これだけの患者さんが治ってますよというデータであったり、なんか客観的なモノが望ましいです。
直接、口で言ってあげても良いですし、そういった書面を書いて、“新患セット”に入れてお渡ししても良いでしょう。
こうすることで、患者さんは、自分の決断は正しかったと確信をし、満足度が上がり、リピート率も上がるのです。
山本