「本物のプロ」が道ばたで3.5億円のバイ​オリンで演奏→「誰も見向きもしない」

2019年4月17日

おはようございます。

YMC株式会社の山本です。

人は「価値」を判断できません。

どういうことか?

たとえば「本物のプロ」が道ばたで3.5億円のバイオリンで演奏したとしても、

  • 誰も見向きもしない

というのが現実で起こる。

つまり、人は価値を判断できないのです。

雑誌の年間購読、あなたなら、どのメニューを選ぶ?

書籍『予想どうりに不合理』に出てくる「ある大学での実験」が非常に興味深い。

エコノミストという雑誌の年間購読をオファーする商品ラインナップが下記のようにあります。

  • ウェブ版だけの購読(59ドル)
  • 印刷版だけの購読(125ドル)
  • 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)

この中だったら、どれを選びますか?

大学生100名選ばせたところ、下記のようになったそうです。

  • ウェブ版だけの購読(59ドル)→16名
  • 印刷版だけの購読(125ドル)
  • 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)→84名

まあ当然ですよね。

「印刷版とウェブ版のセット」のほうが、印刷版だけよりもお得ですからね。

たぶん、僕も3の「印刷版とウェブ版のセット」を購読すると思います。

ところが、下記のような選択肢にどうなるでしょう?

  • ウェブ版だけの購読(59ドル)
  • 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)

つまり、「印刷版だけの購読」をいう選択肢をなくしてみたわけです。

果たして、大学生たちは、前と同じ判断をするでしょうか?

まあ、「印刷版だけの購読(125ドル)」は、そもそも誰も選んでないわけだし、結果は同じだと思いますよね。

ところが・・・結果は次のようになりました。

  • ウェブ版だけの購読(59ドル)→68名
  • 印刷版とウェブ版のセット購読(125ドル)→32名

この2つの選択肢だと、多くの大学生は、安いウェブ版を選んだのです。

人は、「絶対的」に価値を判断すのではなく、「相対的」に価値を判断する

おそらく、こうなった理由は、シンプル。

「おとり」である「印刷版だけの購読(125ドル)」という選択肢があるだけで、判断基準が変わったからです。

要は、「比較基準」がそこに出てくると、それを元に、安いか高いかを判断してしまうのです。

人間は、絶対的な価値ではなくて、相対的に価値を判断しているのです。

このことから、人間は比べる基準がないと「価値」を判断できないことがわかります。

だから、いきなり道ばたで著名なバイオリニストが3.5億円のバイオリンを演奏しても、

  • だれも価値がわからない

ということになるんです。

あなたの施術の価値は、なにかと比べさせないと患者さんは判断できない

この事例から学べることは、いくつかあります。

1つ目は、売れなくても良いので「おとり」のメニューを作っておく。

たとえば、高額メニューを置いておくと、その高額メニューより、ちょっと安いメニューが売れるようになります。

2つ目は、他店との比較をさせる。

たとえば、治療院内でダイエットメニューを販売しているとしたら、連想しやすいライザップなどの高額なダイエットと比べて貰う。

そうすることで、自院のダイエットの価値を伝えやすくなりますよね?

こんな感じで、比較対象を作ってあげてください。

そうしないと、患者さんは、あなたの治療院の施術の価値を、判断することができないのですから。

山本