患者さんは、あなたの治療院と他院との「差​別化」を認識できない

2018年9月6日

こんにちは。

YMC株式会社の山本です。

「患者さんは治療院の差別化を認識できない」

というお話をします。

マーケティングの勉強をすると、

  • 他との違いを強調しろ!
  • ライバルと差別化をしろ!

と必ず言われます。

なので、患者さんに、

「当院と、他の治療院との違いって何がありますか?」

ってアンケートを取ったりしますよね?

患者さんの声の内容で、他院との差別化をはかろうとしてたわけです。

僕らの治療院でも、そのような涙ぐましい努力をしてました。

ところが・・・・

先日から読んでいる書籍である

『How Brands Grow: What Marketers Don’t Know (邦題:ブランディングの科学)』

に書かれている内容によると、どうやら、そうでもないようです(涙)

患者さんは、あなたの治療院と他院との「差別化」を認識できていない

アップルのMacが事例に上がっていましたが、調査によると、Macを買う人の77%が、アップルが他のブランドと異なる、またはユニークであると認識してないそうです。

マジかよって感じですね。

多くのマーケティングの教科書が、ブランドの差別化のポイントを消費者が理解できるように提示することをマーケターに求めている。

しかし、大成功を収めているブランドのマーケターであっても達成できていないようだ。

このことから、ブランドの成功と差別化はほとんど関係ないという結論に至る。

(中略)

消費者は自分が使用するブランドについては多少の知識はあるものの、使用しないブランドについてはまったく知らないことがわかっている。

(中略)

つまり、マーケティングの現場においては、もはやマーケターは製品の差を消費者が買い物をする前に納得させる必要はないということだ。

そう聞くと、マーケターは肩の荷が少なからず下りるのではないだろうか。

実際、私たちのデータから、製品の差を認知させることは不可能に近いことがわかっている。

いやぁ、結構、衝撃的な内容です(笑)

確かに、言われてみれば、僕はiPhoneしか使ったことがなくて、アンドロイドとiPhoneの違いがわかりません。

なんせ、iPhoneしか使ったことがないですから、アンドロイドのことを知らないのです。

つまり、「差別化」を認識できていないのです。

この現象は、治療院でも起こっているかもしれません。

患者さんの声を生でリサーチしてますが、意外と多くの患者さんが、

「他の治療院は、行ったことがないので、違いがわかりません」

と書いているんです。

こういった記述を僕は何回も見ています。

ようは、この患者さんたちは、差別化を認識しないまま、治療院に訪れているわけです。

他院との差別化ポイントは、集客においてホトンド貢献しないかもしれない

ここで、もう一度、考えてほしいんですが、僕がiPhoneを使い始めたのは2009年からで、そのときにiPhoneを買った理由は、

  • なんか話題になってたから

という、ミーハーな理由なんです。

当時、ソフトバンクだけでiPhoneが契約できて、なんかスゴイ話題になってたんですよね。

そこから、僕は10年近く、iPhone3GS→iPhone4S→iPhone6Plus→iPhone7Plusと使い続けています。

要は、当時のiPhoneの認知度は、スマホというカテゴリの中で圧倒的にナンバー・ワンだったのです。

このことから導かれる仮説としては、

  • 治療院も、そのエリアで圧倒的にナンバー・ワンが必然的に選ばれるのではないか?

ってことです。

いろんな治療院を比較検討などせずに、パッと近くの行ける範囲の治療院のなかで、

  • もっとも人気そうなところを一択で選ぶ

という行動を取っているイメージです。

治療法が他と違うとか、接客が違うとか、色々とホームページなどに書く必要はあるが、患者さん自体は、そんなの読んでなくて、パッと感じる印象だけで選んでいる可能性が高いんです。

さらに言うと、患者さんは、施術技術の差も認識していない可能性も非常に高い。

だって、他に行ったことがないなら、品質を認識できないじゃんって話なんです。

僕がアンドロイドを使ったことがないのと同じで。

であれば、何をしなければならないか?

やっぱり、そのエリアで圧倒的なナンバー・ワンの知名度を取る必要があるってことなんです。

そのエリアでの「圧倒的な認知度」です。

結局は、治療院の成功の成否を分けるポイントは、ここに行き着くのかもしれません。

山本