保険診療と自由診療。今後の整骨院経営の流れは?
こんにちは、YMC株式会社のヨリミツです。
最近では、余り気にはしていなかったのですが、柔道整復の保険の料金改定などありますよね。
ユーザー側からしたら、健康保険というのは、確かに安くなるので使いやすい。
しかし、健康保険の定義はあくまで、
●誰もが同じような医療を受けれる様なシステム
ということで立ち上がっています。
つまり、
「健康保険は誰もが利用することができる金額の治療」
ということになります。
一方で、自費診療は、自分で全額お金を払う以上、誰もが受けれるというものではありません。
お金をより多く払える人が、良い治療が受けられるものだから。
この話は、健康保険を扱っている先生しか分からないが、健康保険と自費診療の違いは、下記のように定義つけしないといけないでしょう。
「健康保険診療」=誰もが受けれる最低限の治療で、それくらいの価格
「自費診療」=高度で特殊な治療で、金額は高い
施術者の心の持ちよう(マインドセット)としても、このようなハッキリとした区切りを持った感覚で治療を定義する必要があります。
そもそも、日本の保険医療制度は、高度成長期以前の社会制度を想定した、古いビジネスモデルから構築された制度です。
今後、日本が急速に高齢化する中で、老人の医療費も激増します。
普通に考えて、この増え続ける医療費にストップを掛けざるを得ません。
そのため、自己負担できる医療費は負担してもらい、保険の対象を「本当に必要な医療だけ」に縮小しなければなりません。
遅かれ早かれ、保険診療は規制がかかり、自由診療化が進むはずなんです。
「安くて良い治療」ではやっていけない
そういった流れから「保険診療を使った安くて良い治療」は、整骨院経営の側面から考えて、今後は厳しいでしょう。
「追加でお金をもらったら悪い」
なんて感覚はハッキリ言っておかしいのです。
あなたは、高級な肉を食べる焼肉屋でお金を支払う際に、
「こんなに金額取りやがって、なんて悪い店だ!」
なんて思うでしょうか?
良い治療=高い
最低限の治療=健康保険治療
この考え方に、先生自体が心の中までシフトして行かねばなりません。
そうしないと、健康保険が小さくなるに連れて、整骨院の売上はドンドン尻すぼみになります。
さらに、あなたを狙う外敵は、健康保険の縮小以外にもまだまだあります。
お金のある整骨院が、あなたの院の近くに分院なんて出した日には、自分の治療院は大打撃を受け、最悪の場合、閉店に追い込まれます。
安い治療には他にも競合がいます。
激安整体院や、激安リラクゼーションが、近くに出店しても、客の取り合いになって、かなりヤバくなります。
患者さんは治療を受けに来ているのか?それとも、慰安を受けに来ているのか?
ハッキリと分からない場合は要注意。
そうなると比較、判断材料は「価格のみ」になってしまいかねません。
特に値段が近いと、さらに患者さんには判断不能でしょう。
しかも、激安を求める顧客層は、さらに激安を求める可能性が高い。
開院当初から来ているおじいちゃんがいるのですが、6ヶ月前くらい前に家の近くに整骨院ができたという話を聞きました。
おじいちゃんによると、大阪からきた方が整骨院をだしているらしい。
リサーチのために様子を見に行ってみると、店舗前の入り口のガラス面には
「マッサージ20分=500円」
と大々的に謳っていました。
業界人ならわかりますが、大阪らしいやり方ですね。
否定をするわけではないですが、こういう激安を謳い文句にするマッサージ整骨院は、すごく流行りました。
そして、それに対抗して整体院、リラクゼーション・マッサージもどんどん競合がひしめき合い、激安戦争の泥沼にはまっているわけです。
激安戦争に加わりたい人は、加わるといいと思う。安くすれば、一時的に利用者は増えるわけだから。
しかし、どんな人が患者さんになるだろう?
- 「もうマッサージ終わったの?」
- 「もう少し長くマッサージしてくれん?」
- 「もう少しサービスしてよ!」
私には、こういうムカつくことを言う人の顔が目に浮かびます。ハッキリ言って、私には「来てほしくない患者」の顔ぶれです。
あなたは、なぜ治療院の先生になったのか?
-
罵倒されるため?
安い治療でなるべくサービスマッサージをするため?
誰かの言いなりの治療をするため?
いや、違うはずです。
人々に喜ばれながら、尊敬される先生になって、色んな人を幸せにして、そして自分自身が豊かな生活をするためではないでしょうか?
そんな先生になろうと思うのなら、良い治療に対して、お金を払う意志のある患者さんを、集めなければなりません。しかも意図的に。
ある日、突然、患者さんが
「先生の治療が良いと聞いてやって来ました。お金は払うんでなるべく良い治療をしてください!」
なーんて夢のような言葉は、どの患者さんも言ってはくれません。
もし奇跡的に1人くらい言ってくれたとしても、それでは経営は成り立たないわけです。
あなたの目の前の患者さんは、どんな人でしょう?
あなたが望んでいる患者さんでしょうか?
もし望んだ患者さんではなかったとしても、残念ながらそれが今のあなたの現状です。
しかし、それは今からでも変えることはできます。
全ては「あなたがどうしたいか?」という思いを元にして、行動に移すことで、変わり始めます。
ヨリミツ