「私は柔道整復師である」と思っていると倒産する
こんにちは。
YMC株式会社のヨリミツです。
本日も先生の経営に直結するネタをお届けしたいと思います。
最近は先進国ではタバコと言えば、健康への悪影響もあり敬遠されていることが一般的ですよね。
そんな流れのなか巻紙タバコから、電子タバコが登場しました。
結局は、電子タバコも、ニコチンを摂取していることには変わりがありません。
なので健康被害については同様なのですが、吸う形が変われば
「おれはタバコ吸ってないぜ、なぜならこれは電子タバコだから」
なんてイイワケができたワケです。
しかし、これにもやはりニコチンを摂取していることには当然変わりがないので、国などから規制が強化されていきます。
タバコは基本的に嗜好品の一つですので、継続して事業者が販売するには買ってくれる人の経済力が重要です。
なので基本的に先進国で発展しています。
しかし、先進国では、本人の健康リスク、受動喫煙予防の観点から、タバコへの規制が強化されています。
ただ、タバコはドンドンと値上げされてますが、依存性があるから、少々高くても喫煙者はタバコを購入して、税金をセッセと納めてくれる。
このためこの事業は、国が保有していたことが多かったのです。
こんな感じで、タバコというのはいわゆるドル箱事業なのです。
タバコ界のiPhone”目指し開発費2000億円かけた「iQOS」
しかし、実際に以前より市場は縮小してきており、このままでは会社ごと消えてなくなるという危機感から開発された商品が「iQOS(アイコス)」だったわけです。
iQOS(アイコス)を最初に見たときは、
「変な形の電子タバコ?」
と思っていましたが、電子タバコとは完全に異なるようです。
発売元であるフィリップモリスが言うには、アイコスが出すタールなどの有害物質は、巻紙タバコの10%ほど。
そしてタバコ独特の嫌な匂いもしないというのです。
みな新しいものが好きだなァと思っていると、実はこの商品はかなり以前から市場の縮小を予期して、フィリップモリスが研究開発を進めてきた、「タバコ界のiPhone」だというのです。
電気で加熱するアイコスは従来の紙巻きたばこのように火を使わないため、煙や強い匂いが出ません。
他人に迷惑をかけることがないので、家の中でも車の中でも吸いやすくなりました。
人体への影響も大きく低減できそうです。
当社の研究によれば、アイコスが出す蒸気に含まれるタールなどの有害物質は、紙巻きたばこの10%程度という結果が出ました。
さらに臨床試験も行っていますが、これまでのところ、アイコスは従来のたばこよりも大幅に健康リスクを低減しつつあると言えます。
これまで、たばこ業界が提案してきた新商品というのは、味が少し変わっただとか、その程度のマイナーチェンジでした。
しかし今回、ようやく健康リスクの低減に近づいています。
これは、アップルが「iPhone」を発売した時のような、それくらいインパクトのあるイノベーションだと思います。
中略
今、世界のたばこ需要は年々、減少しています。
特に先進国では、健康リスクへの懸念を理由にたばこを辞める人が増えています。
このままでは、たばこビジネスは衰退してしまいます。
われわれが置かれている状況は、2012年に倒産した写真フィルムの巨人、米コダックと似ています。
何か手を打たなければ、遅かれ早かれ潰れてしまう。
そこで、われわれは約10年前から、健康リスクを低減したたばこを作ろうと研究開発を始めました。
これまで投資した研究開発費は約20億ドル(約2000億円)に上ります。
この数字からも、われわれが単なる思いつきで取り組んでいるのではないと理解いただけると思います。
実はアイコスは思いつきで世に出されたワケでは無かったんですね。
地道な努力の成果としての商品だったわけです。
つまり何が言いたいかというと、
- 時代に合わせて変化しないと潰れるよ
ってことです。
倒産した「コダック」と、生き残った「富士フィルム」の差は?
かつて、写真のフィルム市場では、アメリカの「コダック」が非常にチカラを持っていました。
御存知の通り、新技術であるデジタルカメラが登場し、写真フィルム市場は、縮小していきます。
ところが、コダックは自分たちのセルフイメージを
「われわれは写真フィルム屋だ」
と定義づけてしまっていました。
コダックは、市場が縮小しているのにも関わらず写真フィルムの製造に、こだわり続けたのです。
結果、2012年にコダックは倒産。
一方で、「富士フィルム」は自分たちのことを「写真フィルム屋だ」とは思っていませんでした。
当時、富士フイルムのトップだった古森重隆社長は、自分たちの技術を棚卸しして、市場ニーズに対してどのような商品を提供できるかを考えたのです。
そして、写真フィルム技術を応用して、
- 化粧品市場
に飛び込んだわけです。
富士フィルムは、「アスタリフト」という化粧品の新事業を立ち上げました。
「写真フィルム屋が化粧品事業かよ!」
って感じですが、自分たちの「フィルム技術」の強みを活かしており軸はブレていません。
ちゃんと勝てる根拠があって参入したのです。
※他にも医薬品事業などに参入しています
ここでもし、富士フィルムが、
「俺たちは、写真フィルム屋だ」
と考えていたら、富士フイルムの未来はありませんでした。
事実、コダックは、
「われわれは写真フィルム屋だ」
というセルフイメージから抜け出すことができず、12年に倒産したわけですからね。
あなたは「治療家である」「柔道整復師である」というセルフイメージから抜け出せるか?
治療院ビジネスにおいても時代のトレンドというものが必ずあり、このトレンドをキャッチするには普段から地道に情報収集するクセをつけて置く必要があります。
そして、トレンドを実行するには、実行力が必要になってきます。
組織として治療院を運営している方は、普段から変化できる体質の組織にしておくことも必要になってくると思います。
この様に実は世の中の新製品は“思いつき”や”パッとで”ではなく地道な努力の積み重ねである場合がほとんどなのです。
なので、先生の治療院を長い期間継続していくためにも、日々チャレンジして院内を改善していく必要があります。
フィリップモリスなどのタバコを扱っている公開企業では世界2位の企業ですら、自社の危機を察知して変化しようとした結果、アイコスを開発できました。
あなたの治療院はどうでしょうか?
改革を起こすことは簡単ではありませんが、業績悪化へ向かわないような方向性を常に考えておくと、あなたの治療院は長期的に繁栄すると思います。
それでは今日はこのへんで。
ヨリミツ
<<追伸>>
【年商7000万円の治療院】の作り方
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