一点突破の治療院経営術
おはようございます。YMC株式会社の山本です。
今回は、治療院が今後生き残っていく上での、経営術について解説をしていきます。
秘訣は、「一点突破」です。
あれこれやらずに、商品や客層を一つに絞って、集中して一気に攻めることです。実は、業績の良い会社は、色んなことをやっていません。
なぜ、一点突破なのか?
まず小規模事業者はヒト・モノ・カネの経営資源が乏しいので、一点突破せざるを得ないっていうのが一つ。
あともう一つは、時代背景が大きく変わったことで、「一点突破」しやすくなったというのが、要因です。
現代は、文化自体の変化が非常に激しい世の中になっています。これは、ネットが発展したからですよね。
今までは、テレビや新聞などのマスコミが、全ての文化を作り出してきたわけです。
たとえば、流行を作ろうと思うと、テレビで煽れば簡単にブームにできたわけです。地球温暖化とか、○○ダイエットとか異様に流行ったものってありますよね?
昔は、テレビや新聞だけでしか情報を得ることができなかったので、大衆が信じるわけですよ。なので、
「今、地球温暖化が進んでます!」
とか特集をやれば、エコ関連グッズが売れたわけです。
しかし、ネットが発展して、時代が変わってきた。テレビや新聞をみる人が減ったんです。マスコミがブームを仕掛けても、大衆は騙されにくくなってきた。
ちょっと前は、マスコミが韓流をブームにしようとしてましたが、空振りしましたよね。
こういった時代背景から、お客が求めるニーズが多様化しているわけです。
多様化するってことは、求められる商品の変化が非常に早くなっているってことですね。
つまり、大企業のような小回りの効かない組織は、そういった細かい変化に対応ができなくなってきているのです。細かい波に乗るための舵が切れないわけです。
しかし、我々のような小規模事業者は、そういった細かいニーズに対応できる柔軟性があるわけですね。
僕らがやっているように、ネットを使えば低コストで、しかも岡山という片田舎で、パソコンひとつでビジネスができる時代になったのです。今までは、物理的にリーチできなかった客層に、ネットを使ってメッセージを届けることができるわけです。
事業規模が小さいことがハンディではなくて、逆に強みに転じ、細かいニーズに対応することが一点突破に繋がるのです。
こんな事例があります。
ペット専門の保険会社
今は少子高齢化の世の中ってことで、子供ではなくて、ペットを可愛がる人が増えてきました。日本で飼育されている犬と猫は2000万匹いると言われています。
そこに目をつけたのが、ペット保険を専門で取り扱う「アニコム損害保険」ですね。
自動車保険から、医療保険まで、幅広い商品をあつかう大手保険会社に対して、アニコム損害保険は、ペット保険に絞る「一点突破」。
業界の6割のシェアを獲得して、業界最王手になり2014年3月期は経常利益183億円ですね。
元々は、損害保険の任意組合を作って、ペット保険を取り扱っていたが、創業間もない無名のベンチャーにお金は預けてくれませんでした。
そこで、動物病院向けの電子カルテシステムを開発して、動物病院に売り込んだわけです。そのシステムを導入してくれた動物病院が、ペット保険を取り扱うようになってくれたのです。
飼い主がアニコムの保険証を提示すると、人間と同じように保険が適応されて、支払いが3割分とかで良くなります。残りの治療費は、保険でまかなえるってことですね。
アニコムから自動的に動物病院に支払われる仕組みになっているんです。
動物に絞るっていうのも、一つのアイディアですよね。つい先日も、こんなニュースが話題になってました。
けがしたフクロウ、はり治療で飛べるまで回復 スペイン 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
ペット向けの治療サービスなんて、ほとんどやってないので、簡単に地域ナンバーワンです。
“闇雲にニッチに絞る”ってだけではダメ
しかし、
「ああ、じゃあ、いわゆる隙間を狙って一点突破していけばいいんですね!わかりました!」
っていう単純な話ではありません。
一点突破は大事だけども、斜陽産業に絞ってしまうと、成長性がないわけです。
「ニッチ戦略を取れ」よくコンサルタントの人たちが言いますね。「ベンチャーの会社が成功するためにはニッチを選べ」「孫さんはソフトバンクの当時、ニッチの産業選んだからうまくいってラッキーだったね」、そうやって言う人が時々いました。最近でもそういう人いるけど、馬鹿だと。
俺はニッチの産業を選んだことは一度もない。そんなつもりで、ニッチの隙間だからチャンスありなんて、思った事は一瞬すらない。孫正義氏「ニッチを狙え、という人はバカ」 選ぶなら常に30年後の王道を | ログミー[o_O]より引用
これの意味がわかりますか?単純に隙間を狙って一点突破ではなくて、次世代の王道を見据えての一点突破なわけです。
次のスタンダードに○○が来るから、先に参入しておく、ってことですね。
これは、アニコム損害保険も一緒です。ペットを飼う人が今後増えることを見越して参入したわけですから。
しっかりと、次の時代を見据えて、「一点突破」していく必要があるのです。
さて、あなたは、どこで「一点突破」を狙いますか?
山本