売り上げをアップさせる解決策は一つではない
「ある問題に対して『ドーデモイイ』という解決法のある事に気の付かぬ人がある。何事でもただ一つしか正しい道がないと思っているからである」
寺田寅彦(出久根達郎『百貌百言』文春新書)
おはようございます。YMC株式会社の山本です。
2020年のオリンピック開催が、東京に決まりましたね。
滝川クリステルの「お・も・て・な・し」が印象に残ったプレゼンテーションでした。
東京オリンピックといえば、1940年に一度開催しておりますが、当時、このオリンピックの招致に尽力した人物がいます。
その名も、杉村陽太郎。
戦前にイタリア大使やフランス大使を歴任した、外交官です。
1933年(昭和8年)にIOC委員に選ばれ、1940年の東京オリンピックの招致に大きく貢献したそうです。
彼は、かなりの豪傑だったらしく、高等文官試験(いまの国家公務員試験)を受けたときのエピソードが、今に伝わっています。
筆記試験で、やけに小難しい問題が出たわけですが、杉村は白紙で提出しました。
続く、面接試験でそのことを問われ、彼はこう答えたと言われています。
「私が外交官になったら、あんな問題は属官に調べさせます」
面接官はうなづき、杉村は合格しました。
「ドーデモイイ」という解決策を、試験する側も受験する側も知っていた、昔話です。
売り上げをアップさせる解決策は一つではない
我々のような「集客を教える」ような仕事をしていると、
「何をやれば、一番効率よく集客できますか?」とか「PPCの広告費っていくらくらい使えば集客できますか?」
など「唯一の答え」はないものかと、質問をされます。
これって、
「何回女の子に告白すれば結婚できますか?」とか「何をやれば、効率よく結婚できますか?」
という質問と一緒です(笑)
こんなものに、答えなんてありません。
恋愛ならアタリマエのことが、ビジネスになると麻痺してくるわけですね。
唯一の答えを知りたくなるのです。
そんなものは、存在しないし、
「やれることは全部やってください。正解はありません」
と答えるしかないんですね。
成果の上がらない方は、「答えは常に一つで、それを答えを導きさえすれば、すべての道はひらける」と、勘違いをしているように思えます。
答えは複数あり、それは行動してみなければわからないし、常に正解は変わるのだと、知らないのです。
人間の本能なのか、日本の教育システムが悪いのか分かりませんが、仕事であれ、人付き合いであれ、目の前に問題を差し出されると、『唯一絶対の答え』を見つけなくてはならないと強迫観念に駆られがちです。
方法はいくつもありますし、時期や状況によっても変わります。
●地域性
●ライバルとの関係
●得意分野
●資金力
様々な状況を加味すれば、答えは複数でてくるはずです。
是非、解決策の選択肢に『ドーデモイイ』を加えておくことをオススメします。
山本