「引き寄せの法則」が脳におよぼす悪影響

2019年5月15日

こんにちは。

YMC株式会社の山本です。

  • 引き寄せの法則

ってご存知ですか?

自己啓発とかが好きな方にとってはなじみのあるかと思いますが、欲しいものを夢に思い描くだけで、実現の可能性が高まるという、例のあれです。

ところが、「引き寄せの法則」は脳に悪影響を及ぼし、結果的に「夢を実現できない」そうです。

ニューヨーク大学の心理学教授であるガブリエル・エッティンゲンが研究を重ねたところ、

  • 夢見ることは、あなたの望みを実現しない
  • 欲しいものを手に入れるチャンスをも遠ざけてしまう

ことがわかりました。

なんと、ショッキングな研究結果ですね。

では、あの「引き寄せの法則」とやらはウソだったのでしょうか?

「引き寄せの法則」はウソだったのか?

人間の脳は、現実と幻想を区別できません。

映画などを観て感情移入してしまい、泣いたりすることからも、これは証明できます。

つまり、ダイエットを成功した自分を思い浮かべてしまうと、脳はすでに達成してしまったと勘違いしてしまうわけです。

ポジティブシンキングだけでは、夢を実現させる効果は発揮されない。

あなたは、ダイエット後のほっそりした水着姿を思い描いたりするだろうか?

ある実験で、そんな風にポジティブに思い描いた女性たちは、ネガティブなイメージを浮かべた女性たちに比べて、体重の減少分が10キロほど少なかったという。

完璧に理想通りの仕事に就くことを夢見ているなら、出願書類を出す数が自然と減り、その結果、内定をもらえる数も減ることになる。

成績でたくさんAをもらうことをイメージしている者は、勉強時間が減り、成績が落ちることになる。

しかし、夢見ることがマイナスの影響を及ぼすのなら、なぜ人びとはそれをするのか?

お酒に酔うのと同じ効果が、精神的に得られるからだ。

飲んでいるときは気分が良いが、醒めた後が問題だ。

エッティンゲンの調査でも同じことが裏づけられている。

ポジティブに夢見ているときは良い気分でいられる。

しかし夢から醒めた後は、抑うつ的になる。

つまり、夢に描くことは、目標の達成前にご褒美としてもらってしまうので、肝心な目標達成に必要な活力を弱らせる。

ただ夢見るばかりでは、その実現が阻害されることになる。

『残酷すぎる成功法則』より引用

おいおい、マジカヨって感じですよね(汗)

「思考は現実化するんじゃないのかよ!ナポレオン・ヒルは嘘ついてたのかよ!」

と言いたいところです。

でも確かに自己啓発セミナーとかに参加すると、気分が高揚して、それだけで気持ちよくなります(笑)

もう、夢を達成したかのような気になりますが、現実は変わらない、ってことが良くあります。

ただ、ちゃんと「夢を現実化」させるための対策があるそうです。

「夢を見ること」自体が本質的に悪いわけではありません。

夢を現実化させるためには、「夢を見る」+αが必要である

夢を見ることにプラスして「あること」を取り入れれば、格段に目標が実現できやすくなるそうです。

その「あること」とは・・・

  • 計画

です。

ニューヨーク大学の心理学者、ピーター・ゴルヴィツァーとヴェロニカ・ブランドスタッターの研究によれば、

たとえば、目標を達成するための行動をいつ、どこで、どのように取るかなど、ざっくりと計画しているだけで、学生たちが目標を実現できる確率が四〇%上がったという。

二つの魔法の言葉は、「もしも(If)」と「そのときは(Then)」である。

予見できるどんな障害に対しても、「もしXが起きたら、Yをすることで対処しよう」と考えておくだけで、結果は大違いだ。

この二つの言葉がどれほど強力かというと、とても深刻な行動上の問題を持つ人びとにも効果を発揮する。

たとえば離脱症状がある薬物中毒者の場合、「IFーTHEN」の実行意図を取りいれずに、

何人が履歴書を書きあげられたかというと、結果はゼロだった。

ところが、事前にこの魔法の言葉を使用していたところ、じつに八〇%の人が仕事に応募できたのだ。

どうしてこれほど効果てき面なのか?

それは、無意識の脳を関与させているからだ。

ただ問題が起こるのを待っかわりに、いざというとき脳が自動的に実行できる習慣的反応をあらかじめ用意しておくのである。

この手法のルーツは、古代哲学から近代の精鋭軍隊までいたるところに見られる。

ストア哲学者たちは「前もって災いについて熟考する」と呼ばれる概念を用いていた。

それは、「起こりうる最悪の事態は何か?」と自分に問いかけることだ。

つまり、あえて怖ろしい可能性について考え、それに対する備えがあるかどうかを確かめるように説いた。

また米陸軍特殊部隊は、あらゆる任務の前に時間を取り、「IFーTHEN」の一種を実行している。

作家のダニエル・コイルによると、

「彼らは午前中をまるまる費やし、任務中に考えられるありとあらゆるミスや災難を想定する。起こりうるすべての混乱が徹底的に調べられ、それに対する適切な措置が確認される。もしヘリコプターを不時着させたらXを実行する、もし間違った地点で降ろされたらYを実行する、敵の数が上回っていたらZを実行する」

といった具合だ。

『残酷すぎる成功法則』より引用

つまり、「夢を見るだけ」で終わると、実現する確率は低くなる。

しかし、「夢を見たあげく、具体的な実行計画を立てる」と、実現する確率は高くなる。

ってことですよね。

この2つの違いは途方もなく大きいですよ。

「立ちはだかる障害」を踏まえて、実行計画を具体的に立てれば、夢の実現可能性は高まる

ここまでで、夢を実現するためには、「実行計画を立てること」が大事だと学びました。

ただ、この「実行計画を立てること」って、ホトンドの方がやっていないんですよね。

みんな行き当たりばったりなんです。

でも、成果を出す経営者は、実行計画をちゃんと立ててます。

たとえば「経営計画書」を作る企業がありますが、まさしくこれです。

僕らも、海外に行って年間スケジュールを作りますからね。

なので、あなたは、実行計画をきちんと立てましょう。

  • 年間スケジュール
  • 月間スケジュール
  • 週間スケジュール
  • 日間スケジュール

こういうのを作るだけで、行動が起こり、夢が実現していきます。

この秘密を知ってるのに、やらないのは、本当にバカだと思いますよ。

山本