自分の商品に惚れ込みすぎてはイケナイ
こんにちは。
YMC株式会社の山本です。
「なんでテメーらは、ビリヤードの面白さがわかんねーんだよ」
かつて僕は、そう思いながら、仕事をしていました。
何度か言ってますが、僕は、ビリヤード場で店長をしてました。
ビリヤードを愛してやまない青年でした。
なので、
こんな面白いビリヤードをやらないなんてバカじゃねーの?と本気で思ってたんです。
- ビリヤードをやれば面白さが伝わる
と考えていたんです。
ところが、実はそう思っているのは、ビリヤードにハマっている自分だけ。
ビリヤード初心者が、ビリヤードにハマる確率は恐ろしく低い
それを象徴するような、こんな話があります。
僕は大学時代より、大学のビリヤードサークルの運営をしており、卒業してからも携わっていました。
当然、サークル活動に入ってくるのは、全員ビリヤード初心者です。
入学後の4月は、数十名ほど入部者がいますが、1年後に残るのは、
- 約5人
です。
それくらい離脱するのです。
一般の人は、
「ビリヤードオモロイけど、そんな毎日やらなくても良くね?」
と思っており、
「毎日、ビリヤードやらな上手くならんやろ?」
と思っている僕らとは、かなりの温度差があったんです。
確かに、ビリヤードっていうのは、面白さが伝わりにくい。
ボーリングや、ダーツのように、投げれば点数が出るような、ものではありません。
狙った穴に狙ったとおりに、入るようになるまでに、半年くらいかかります。
僕自身は、病的にハマッてしまったので、その半年は、あっという間に乗り越えたわけですが、
多くの一般ライトユーザーは、その壁を乗り越えることは、ホトンドありませんでした。
自分の商品に惚れ込みすぎてはイケナイ
このように、
自社の商品に愛着を持ちすぎると、「あばたもえくぼ」で、欠点までもが良く見えてしまいます。
ビリヤードの例で言うと、
「なかなか思い通りにならないところが魅力だから、そのままで良いんだよ」
とか勝手に解決しちゃいます。
商品への思いが強すぎる状態でビジネスをしてしまうと、独りよがりになりすぎてしまいまう良い例です。
「こんなにいい商品なんだから、売れないはずがない!」
などと安易に考えて、ツメの甘い戦略しか出せなくなるのです。
現に、僕は高いビリヤードの技術をお客に見せれば、客は感動してくれると信じて疑いませんでした。
一切、広告宣伝もしませんでしたし、集客をしたこともありませんでした。
この結果。
毎年のように、売上は落ち続け、挙げ句の果てには、
- ノーゲスト
なんて日も多々ありました。
こうなる前に、もっとビリヤードの魅力を伝えやすくなるように初心者向けのビリヤード教室をすればよかったなと。
ビリヤードのゲームを楽しむだけでなくて、人と人との出会いの場を作る工夫もできるはずなんです。
そういった努力を怠りました。
いい商品かどうかを判断するのは、あくまでもお客さん。
色々と、ビジネスの戦略を考えるときは、自分に都合の良い先入観は捨てて、
- こんなものは売れない
という前提からスタート。
その感覚で、「これでもか!」というくらいの手厚い売り込み戦略を立てるくらいでちょうど良いのです。
「こんなにいい商品なんだから、売れないはずがない!」
この感覚は捨てたほうが良いです。
山本