治療院の独自のウリ(USP)を作るときに絶対にやってはいけないこと
治療院二階の事務所より
こんにちはYMC株式会社の依光です。
先日、ヨリミツ治療塾で患者さんとの親睦会を行いました。
私の経営している治療院の“独自のウリ”は、スタッフと患者さんの距離が近いってことです。
「患者さんは、患者さんではなくて人生を一緒に歩んでいく仲間と位置づける」
これが私の治療院の最大の特徴だと思っています。
決して、わたしの治療院は、キレイで最新設備の整った治療院ではありません。どちらかと言うと、古民家のような店舗です。
でも、それでいいのです。
患者さんとの距離感が一番のウリなんで。
そのために、スタッフと患者さんと交えた親睦会などもたくさんしてますし、患者さんと一緒にマラソンやトライアスロンの大会などに出場しています。
もちろん、患者さんへの接客対応であったり、施術のスキルだったりも、たくさん研修をしています。
そういった経緯で、親睦会をよく開催しているのです。
先日も、お酒を飲むのが好きな私は、親睦会の一次会を終えて性懲りもなく二次会の会場へ。
二次会まで来てくれる患者さんは、かなりのファン層の患者さんです。
その彼が二次会で私の前に座って、和やかな雰囲気でお互いにリラックスして、アルバイトの女性スタッフなどを交えて一緒にワインを飲みながら話をしていました。
「いや~、一般的にいったら組織の代表者とお客さんというか患者さんがこんなに話をする機会ってないですよね。普通CEOって出てきませんもんね」
「ヨリミツさんとこは研修会とかしててやっぱ技術が良くていいですよね。どのスタッフにあたっても大体技術力は高いですもんね」
「でもこれが、技術力が落ちたりしたら出来なくなったらス~って来なくなっちゃいますけどね」
少しだけ厳しい言葉が混じりながら、実際の顧客の意見を聞くことができた良い機会でした。
そして私はその患者さんに、こういう風に伝えました
「そうですよね、やっぱり技術力などの品質が落ちたりしたら、患者さんはいなくなっちゃうでしょうね。でも技術力やサービスが落ちる事はないですよ。私がそうさせませんから」
「今はアルバイトも新人ですけど慣れてきたらアルバイトにも給料を払って、研修を受けてもらって接客スキルも上げるようにしますから。それに、技術研修会はやらなくなることはありませんからね」
「なので技術力や、サービスが落ちることはあり得ませんよ」
このように伝えました。
実際、今まで研修などをずっとしてきているので普通どおりなんですけど、ここで重要なポイントは
●約束できないことを、うたってはいけない
ということです。
治療院の独自のウリ(USP)を作るときに絶対にやってはいけないこと
“独自のウリ”っていうのは、USPなどと言われて、こういった経営系の勉強をしている方にはお馴染みの概念ですよね?
●他の治療院と何が違うのか?
●どんなユニークな施術を売っているのか?
●なぜ私の治療院に来る必要があるのか?
などを明確に示すことで、患者さんに選んでもらいやすくなります。
ただ、注意しなければならないのは、
「打ち出している治療院の独自のウリと、実際の中身が違ってたら全然ダメだ」
ってことです。
良くあるのが、ホームページはキレイでめちゃくちゃ明るい雰囲気なのに、実際に来店してみたら汚くて愛想が悪くて・・・みたいな感じです。
ホームページの雰囲気なども、独自のウリを表現する場ですからね。
「清潔感があってキレイでめちゃくちゃ明るい雰囲気」ということを独自のウリにしているのだったら、それを実行できないのなら打ち出してはいけない、と言うことです。
他にも「良い接客」を謳っているのに、実際に患者さんが来てみたところ、どうやっても接客の対応が悪かったり、説明が全く足りていなかったりして、明らかにあまり良くない治療院だったとしたら顧客はどの様に感じるでしょう?
おそらく品質が良いと期待してきた分だけ、失望感などが余計に大きくなってしまうのではないでしょうか?
当然ですが、こうなってしまったら、この患者さんは二度と治療院に足を運んでくれることはないです。
これは顧客を裏切ることになってしまって、かえって悪い結果を生み出してしまいます。
“独自のウリ”とは顧客との約束なのです。
切り口を変えれば弱点ですらウリになる
独自のウリは、顧客との約束ですので、自分のスタイルに合ったウリを、作らなければなりません。
ただ、私の治療院が“仲間”をウリにしているからといって、先生が自分の性格を曲げてまで無理にマネる必要はないのです。
患者様と接するのが苦手な職人タイプの方は、大勢の人と楽しく接するのが無理だと思うんですね。
それに、なにも明るくてポジティブなものが好き、という患者様ばかりではありません。
そういった意味で、有名な“ドミノ・ピザの独自のウリ”はユニークです。
「熱々できたてのピザを30分以内にお届けします。30分超えたら料金はいただきません」
というキャッチコピーを打ち出して、大成功した世界的なピザ屋さんです。
これはスピードのみを、独自のウリにしています。
決して、「私どものピザは、味が抜群だ」とは謳っていません(笑)
これ、言い換えれば、ウチのピザはマズイってことですね。
でも、それを補う“メッチャ早いよ”っていう、独自のウリを打ち出したわけです。
“物は言いよう”という言葉があります。弱点と強みは表裏一体なのです。
自分の持っている弱点も、ウリに変えることは、実は可能なのです。
●愛想が悪い→他人に流されない
●陰気くさい→自分の世界を持っている
●話下手→誠実
●経験不足→フレッシュで新鮮
こんなのを利用して、先生だけの独自性を出してみてください。
先生の治療院の独自性はなんでしょうか?
そして、その独自のウリの精度をあげたり、今よりさらに良くするために具体的に何をしているでしょうか?
これを、もっと突き詰めれば既存顧客の大ファン層が、今よりもっと増えます。
隣に治療院ができても経営には全く問題ない、すご~く良い治療院ができ上がるのではないでしょうか?
ヨリミツ