行列ができる治療院を作る方法

2014年10月20日

こんにちは。YMC株式会社の山本です。

「遥か600キロ離れた場所から、わざわざ足を運んで飲みに来るビール店」

が広島にあるのをご存知ですか?

その名も、「ビールスタンド重富」。

ビールスタンド重富

2012年7月にスタートしたお店ですが、そのビールを求めて、県外から遥々訪れて行列を作るそうです。

こだわりぬいたビールは他では飲めないくらい独自性があるものでした。

ますは、ビールの銘柄が、アサヒはアサヒですが、スーパードライではなく、スーパードライの前身のアサヒ生。

そして、ビールの冷やし方がすべて氷。前の晩から樽を氷で冷やして、サーバーにいれても氷でひやして、途中のホースも全部氷で冷やしている。

そして、戦前に流行ったタイプのサーバーコックで1気圧で注がれます。1気圧のスゴイ勢いで、ぐわ~っと注がれるビールは、まさに絶品。

当然、グラスにもこだわっています。

最高のビールを味わっていただくためには、キレイなグラスじゃないとダメだからです。

ビールの美味しさの秘訣である、きめ細かい泡を消さないためには、グラスをきれいに洗うことが大切です。正しい洗浄により、ビールを注いだ時の泡持ちもよくなるわけです。

そのため、ビールスタンド重富では、

洗浄→自然乾燥→再度洗浄→氷水冷却→ビールを注ぐ

という工程を取るため、グラスの洗浄だけで何時間もかかるわけですね。

そして、ユニークなのは、その営業形態です。

営業時間:17時~19時
メニュー:生ビールだけ(おかわりは一杯まで)

たったの2時間という超短時間の営業で、メニューも生ビールしかありません。

しかも、ビールの喉越しを楽しんでもらうため「立ち飲み」限定で、当然ながら予約もできません。

ここで、商売熱心な方なら、ある疑問が湧くわけです。

「いくら行列ができても、たったの2時間の営業で、しかもビールしかないんなら儲かってもたかが知れてるやろ?」

その通りです。

しかし、「ビールスタンド重富」はこの店で儲けるためにビジネスをやっていませんでした・・・。

ビールスタンド重富では儲けなくて良い

実は、ビールスタンド重富の重富さんは、「重富酒店」という酒屋さんを経営していて、地域の飲食店にお酒を卸しているんですね。

つまり、こういうことです。

1,ビールスタンド重富に遠路はるばるビールを飲みに来る

2,でも2時間しか営業してないし、2杯しか飲めないし、おつまみがないので物足りない

3,じゃ近所の居酒屋に行こうか

4,近所の居酒屋さんにお金が落ちるし、重富さんも酒の卸業が儲かる

という構造なのです。つまり、“ビールスタンド重富”のブランドで集客する。ここでは儲からなくてもOK。

本業である、酒の卸業で収益を上げるわけです。多くの酒屋さんが、コンビニやスーパーの台頭で潰れていったなか、こうやって工夫をしながら事業を拡大している会社もあるのです。

“ビールスタンド重富”は重富さんの「ひろしま元気プロジェクト」の一部で、他にも様々な事業展開をされています。このモデルは非常によくできており、参考になります。

広島を生ビールで元気にしたい!ひろしま元気プロジェクト

これは、治療院やサロンでも応用ができますよね?

集客商品と収益商品

話題性のある商品やサービスを作って、口コミが起こるような企画をしてみる。

●何かに強烈に特化してみる
●明らかに他とは違うことをやってみる
●ユニークなことをしてみる

こういうアイディアを取り入れることで、人の目を引くので新規集客がしやすい。

その商品で利益が上がらなくても、人の流れができさえすれば、付随して商品が売れていきます。

香川のうどん屋のように、うどんだけでは儲からないけど、揚げ物などのトッピングを買わせることで客単価がドンとあがるイメージです。

集客商品と、収益商品を分けて考えることでダイナミックに事業を拡大することができるわけです。

山本