患者さんを、こちらが意図したとおりに行動​させる方法

2017年5月16日

こんにちは。

YMC株式会社の山本です。

今日は、

  • 患者さんを、こちらが意図したとおりに行動させる方法

についてお話します。

僕は治療院の先生にコンサルティングをして、成果を出していただくことを仕事としています。

ですが、コンサルティングっていうのは、知識を与えるだけでは成果が出ません。

どうするかというと、クライアントさんに

  • 今までとは違う行動を取っていただく

という具体的なアクションをしてもらう必要があるわけです。

行動しないと成果が出ないわけですが、この「行動させること」、これが意外と難しいです。

口では

「やります!」

といいながら、何もやらないケースが本当に良くあります。

「◯◯は~であるべき」という信念体系(ビリーフ)が多くて強固な人は、変化を拒む

たとえば、クライアントさんの持っている「信念体系(ビリーフ)」が強固な場合は、なかなか行動を変化させません。

特に年配になればなるほど、

「整骨院とはこうあるべきだ」

という信念体系が長年かけて構築されています。

だから、これまでやってきたことを、これからも貫こうとします。

結果的に、何も変化がないので、違った成果が得られない。

アインシュタインは言いました。

『同じことを繰り返しながら違う結果を望むこと、それを狂気という』

つまり、論理的に考えると、今までとはちがう成果を出すためには、今までとは違うことをやる必要があるってことです。

これは、治療院の先生が患者さんに対峙するときにも同じ現象が起こります。

ずっと同じ生活習慣をしているから、腰が痛くなっている患者さんっているはずです。

ダイエットに来る患者さんも同じです。

太る生活習慣をしているから、デブを維持するわけです。

これも、その患者さんが持った「信念体系(ビリーフ)」がそうさせるわけですね。

では、どういうふうにガイドしてあげたら、今までとは違った行動を取ってもらえるのでしょうか?

通常より4%多くの人が選挙に向かった「ある方法」とは?

色んな方法がありますが、ひとつの方法を紹介するとしたら、

  • いつ、どこで、どのようにして、やると言ったことをやるのか、具体的なアクションプランを作らせる

というものです。

書籍『影響力の武器 戦略編』によると、行動科学者のD.ニッカーソンとT・ロジャーズが興味深い実験をしています。

『Q.有権者に、選挙当日に投票所に行くまでの具体的なプランを立てさせると、実際に投票を行うかどうか?』

という仮説を元に検証をしました。

2008年の大統領予備選の有権者、約五万八千人の家に電話をかけ、事前に用意した3種類の筋書きのどれかに沿ったやり取りを行いました。

プラン1:選挙の話をし、投票は国民の重要な責務であることを伝え投票をうながした

プラン2:選挙の話をし、投票は国民の重要な責務であることを伝え投票をうながし、投票するかどうかを尋ねた

プラン3:選挙の話をし、投票は国民の重要な責務であることを伝え投票をうながし、投票するかどうかを尋ね、さらに以下の3つの質問をした。

「何時ごろ投票に行きますか?」

「どこから投票所に向かうでしょうか?」

「投票に行く前は何をしていますか?」

さて、結果はどうだったでしょうか?

なんと、最も投票にいった人が多かったのは、プラン3だったことがわかったのです。

このプラン3のグループは、何も接触しなかった有権者のグループに比べて、4%も投票率が高かったそうです。

具体的なプランを立てさせることで行動を変えやすくなる

この研究から明らかなように、相手から「イエス」を引き出した後が大事なんです。

それで終わるのではなくて、目指すゴールまでのプランを立てさせることは非常に効果が高いわけですね。

ですから、患者さんに、

  • いつ、どこで、どのようにして、やると言ったことをやるのか、具体的なアクションプランを作らせる

という作戦を立てさせるのは有効ですね。

治療院で、これを自然に実行することができるのは、

  • 治療計画書

ですよね。

  1. 全部で何回来なければならないか?
  2. どのくらいのペースで来なければならないか?
  3. 自宅ではどんなことをやらなければならないか?
  4. 次は、何日の何時何分にこなければならないか?

しっかりと、プランを具体化して書面にしてあげると、そのとおり行動してくれやすくなります。

ちょっとした工夫で、患者さんの行動を変化させることは可能です。

山本