同じ売上でも、ある工夫をすると急に儲かり始めます。その方法とは?

2014年12月8日

「スタッフが全員辞めたとしても店は潰れませんが、キャッシュが回らなくなった瞬間に治療院は潰れる。たとえ黒字だとしても」

おはようございます。YMC株式会社の山本です。

先日、セミナーで経営について、お話をさせていただきましたが、そのときもお話をした、

「キャッシュフローの大切さ」

についてお話をさせて頂きます。

キャッシュは商売における『王様』である

キャッシュが枯渇すれば事業の継続はできません。

手元にあるキャッシュの残高は、経営をしていくうえで最も注意しなければならない数値です。

極々、当然のことですが、あえて書きます。

治療院が黒字ならキャッシュが増え、治療院が赤字ならキャッシュが減るってことになれば良いですが、現実的にそうは行きません。

黒字でもキャッシュがどんどん減っていくことがあるし、赤字のなのにキャッシュが潤沢にあることも起こりうる。

健康保険とか、自賠責保険を使った場合の施術費は、窓口負担とは別に請求するわけですが、現金が振り込まれるのは、かなり後になります。

つまり、売上は立っているが、現金が手元にない状態なわけです。

いわゆる、これが売掛金ってやつですね。

この現金が手元にないタイミングだったら、重要な支払いなどが滞ってしまう可能性があるわけです。

「支払いの期日は明日までや!来月にお金が入ってくるはずなのに、手元の現金がなくて支払えない!」

この状態になると、帳面上は黒字であっても、事実上の倒産です。

治療院にかぎらず、ビジネスでは、このキャッシュフローが「絶対的にプラス」でなければ、超ヤバイわけですね。

「いや、別に売掛ても支払いに困ってないし、そんなに意識してなくても大丈夫やろ?」

って思う方もいるでしょうが、全くもってそんなことはありません。

同じ売上だとしてもキャッシュ・フローがプラスになるだけでこんなにもメリットが

ピンと来ない方のために、解説しましょう。

通常、ビジネスって、成長させるために何らかの投資をする必要があります。

●広告への投資
●人材への投資
●設備への投資
●仕入れへの投資

などですね。

ただ、キャッシュフローがプラスじゃなければ、当然のごとく投資なんてできません。

銀行口座の残高がギリギリならば、毎月、支払いに追われる自転車操業になってしまいますよね。

しかし、なんらかのカタチでキャッシュフローが大きくプラスに転じれば、事業を大きくさせるための投資ができるようになるのです。

治療院ビジネスだとわかりにくいですが、物販のビジネスだと凄くわかりやすくなります。

たとえば、物販ビジネスは、1万円で商品を仕入れて、2万円で売って、利益を得るというモデルですよね?

こういうビジネスは、利益が同じだとしても、キャッシュフローをプラスにするだけで、ビジネスを大きく成長させることができます。

通常、1万円で仕入れて、在庫を抱えておき、2万円で販売し、商品を渡して、1万円の利益が確定するわけです。

ここで、ちょっと工夫をして・・・

2万円で先に売っておいて、その後に、1万円で仕入れて、商品を渡すという流れにします。

しかも、仕入れの決済をクレジットなどにすると、実際の現金引き落としは2ヶ月後になります。

その間、キャッシュは残ったままなので、時差を利用することで、キャッシュフローがプラスの期間を引き伸ばすことができるわけですね。

利益は同じ1万円ですが、前者はキャッシュフローがマイナスで、後者はキャッシュフローがプラスです。

キャッシュフローがプラスである限り、会社は潰れませんし、「投資がもっとできるようになる」ってことになります。

当然、投資ができるようになると、ビジネスは飛躍的に伸びていきます。

健康保険や自賠責保険に依存している治療院は、キャッシュフローがマイナスになりがちです。

なぜならば、キャッシュインが遅いからです。

キャッシュインは、できるだけ早く、キャッシュアウトは、できるだけ遅く

先ほどの物販の事例が良い例です。

まだ商品の仕入代金を支払う前に、注文を取り、前金で売上代金をもらう限り、この会社の資金が枯渇することがありえません。

治療院でも、現実に、こうした収支モデルを実現することは難しいと思われがちですが、実際に実現している治療院もあることを忘れてはいけません。

そうですね。自費治療を回数券などのカタチで前払いしてもらうケースなどが、これに当たるわけです。

後払いで貰うようなタイプですと、税金などの支払日までに残高がなかったら、事実上、倒産してしまいます。

さらに、投資するという観点で見たときも、前払いで貰った場合は、1日目から投資ができるのに対し、後払いでもらった場合は、最終日まで投資ができません。

今回は、簡易版でのシミュレーションですが、これが現実的にも起こっているわけです。

キャッシュ・フローが悪いと、投資できるはずのお金が投資できなくなるのです。

なので、回数券などを取り入れることは、経営状態を劇的に改善させるためには、必須なのです。

そして、もう一つのポイントは、キャッシュアウトを遅くすること。支払いを出来るだけ遅くする。

たしかに事業パートナーである仕入先や、外注先に迷惑をかけてはならないです。

しかし、取引先への支払いを遅くするということは、めちゃくちゃメリットがあることは、忘れてはいけません。

たとえば、クレジットカードなどで決済をすると、実際の銀行引き落としは2ヶ月後などになります。キャッシュアウトが遅くできるわけです。

カードを使うのが嫌ならば、支払日を遅くしてもらうように頼めば良いです。

こういった施策をやるだけで、同じ利益だとしても、経営パフォーマンスに大きな差が出るわけですね。

山本