「ちょっとした言い方の違い」で売りにくい​メンテナンス施術がバカ売れ

2017年7月29日

おはようございます。

YMC株式会社の山本です。

「ちょっとした言い方の違いで大きく結果が変わる」

というお話をします。

患者さんに自費を売るときに、何らかのセリフでオファーをします。

「この施術を受けると、今よりも快適に過ごせるようになりますよ」

とか、決まり文句ってあると思うんですよね。

このときの「ちょっとしたセリフの違い」で大きく結果が変わるときがあります。

ほとんどの人が操られるフレーミング効果

行動経済学には「フレーミング効果」と呼ばれるモノがあります。

人間は何かの選択を迫られたときに、何らかの「フレーム」をもとに判断してしまいます。

例えば、次の二つの質問に答えてみてください。

【状況】

致死率90%の謎の伝染病が発生しているとします。

あなたは、どちらの「対策」を選びますか?

【質問A】

●対策1:半分の住民が助かる

●対策2:五割の確率で全員が助かるが、五割の確率で誰も助からない

さてどっちを選びますか?

続きまして、同じ状況で「対策3」と「対策4」のどちらかを選んでみてください。

【質問B】

●対策3:半分の住民が亡くなる

●対策4:五割の確率で全員が亡くなるが、五割の確率で全員が助かる

どうですか?

過去の調査によると、最初の【質問A】では「対策1」を、【質問B】では「対策4」を選ぶ人が多くなると証明されています。

でも、これ、よく読めばどちらの質問でも同じ内容なので、どちらの質問も五割に収まるのが普通のはず。

おそらく【質問A】で「対策1」を選ぶ人が多いのは、「助かる」という言葉が影響をしていると思われます。

【質問B】では「対策4」を選ぶ人が多かった理由は、「亡くなる」という言葉が嫌だったんでしょうね。

こんな感じで、ちょっとした言葉の表現方法や、話す順番で、人間の判断は大きく変わることを「フレーミング効果」と呼びます。

さらに、人は利益を得る場面では

「確実に手に入れること」

を優先します。

逆に、損失をかぶるかもという場面では

「リスクを背負ってでも最大限に回避すること」

を優先する傾向があります。

このような傾向は、行動経済学では

  • 損失回避の法則

と呼ばれます。

何かを得ることよりも損失回避のほうがモチベーションは高い

【質問A】では、「助かるかどうか?」というポジティブな利益にフレーミングしています。

この場合は、全員が死ぬリスクを避け、確実に助かる人数を確保したい心理が働くわけですよね。

ですので、確実に半分の人が助かる「対策1」を選びやすくなる。

一方の【質問B】では、「死ぬかどうか」というネガティブな損失にフレーミングしています。

この場合は、リスクを負ってでも、死なない人数を最大にしようとする心理が働きます。

ですので、誰も死なない可能性がある「対策4」を選びやすくなります。

フレーミング効果を治療院経営に活かすなら…?

以上のことから、メンテナンス施術などの予防商品などの場合は、

「損をしたくない」

って気持ちに訴えるネガティブな損失にフレーミングすると説得しやすいことがわかります。

たとえば、筋力をUPするようなメンテナンスの施術があるとします。

  1. 「この施術を受ければ、老後も自分の足で歩けますよ」
  2. 「このまま放って置くと、筋力が衰えて骨に負担がかかり、骨が変形する要因になります。そうなると寝たきりのリスクがあがりますよ」

こんな感じで、売れにくい予防商品の場合などは、ポジティブに訴える1よりも、ネガティブに訴える2のように表現した方が注目されやすく、説得しやすくなるわけですね。

「ちょっとした言い方の違いで大きく結果が変わる」

肝に銘じておきたいですね。

山本