施術を売るために、施術は売らない

2013年5月20日

YMC株式会社の山本です。

「ハイボール飲んで、うぃ~~!!」

ってCMで一世を風靡した吉高由里子。

かわいいですよね。

最近、どこの居酒屋に行っても、

ハイボールがメニューにデカデカと載っています。

僕も、居酒屋に行けば、ビールの次に、焼酎かハイボールって感じですね。

ハイボールも色々と種類があって、居酒屋さんもハイボールブームに乗っかって、オリジナルハイボールを提供し始めています。

この前、東京に出張したときは、マッカランのハイボールなんてあったので、珍しくて飲んでしまいました。

もう、

●猫もしゃくしもハイボール

しかし、ハイボールを流行らせたのは、

サントリーの戦略がメチャクチャ上手く行ったから

に他ありませんでした。

若者がウイスキーを飲まなくなった

サントリーが実施したウイスキーのイメージ調査によると、

●おやじ臭い
●飲みにくい
●高い

というのが、実際の声として上がっていると、わかったんですね。

ウイスキーってのは、おしゃれなバーで、中高年がバカラのグラスで氷を

「カラーン」

と響かせながら、香りを楽しむオトナの飲み物だったわけです。

しかし、

ウイスキーの出荷量が年々下がっており、これはヤバイと。

とにかく、ウイスキーは若年層のハードルが高いし、居酒屋では置いてなかったんです。

ほとんど、ビールやカクテル・チューハイなどがメイン。

「とにかくウイスキーを若者を飲んでもらいたい」

ウイスキー離れという「悪しき伝統」から、抜け出すために白羽の矢を立てたのが、

●ハイボール

ハイボールってのはウイスキーを炭酸で割っただけの飲みもので、昔からあるものでした。

ですが現在では廃れており、ターゲットである若者にはハイボールは全く新しい飲み物。

「まずは、このハイボールの美味しさを知ってもらわねば話しにならない」

というわけで、

●ハイボールこだわり三か条+1

っていう飲み方のガイドラインを作成し、それを広めるべく、様々な広告を打ちました。

それが、あの小雪のCMですね。

あのCMに彼女を使った理由は、主要ターゲットである30代の男性と同世代で、さらにその世代からの人気が高かったから。

コンセプトは、「30代の男性に、ああいう店でハイボールを飲めばおいしいだろうな」と思わせること。

さらに、サントリーはネットを上手に活用しました。

情報発信力のあるブロガーを、ウイスキーの製造所に招待。

製造過程を見てもらい、ハイボールを振舞ったわけです。

そうやって試飲してもらい、その感想をブログに書いてもらった。

招待したブロガーの数は、なんと・・・

●1万人以上

このようにすることで、口コミで一気にハイボールは広がりました。

2011年にはハイボールの缶の売上が、前年度比で157%アップ。

今では、居酒屋といえば「ハイボールでしょ」という感じにまでなっています。

ウイスキーを売るためにウイスキーを売らなかった

ココで注目してほしいことは、これです。

サントリーは、ウイスキーを売りたいがために、

●ウイスキーを売らなかった

ハイボールを売ったんです。

ハイボールという飲み方を若者に浸透させて、流行らせてウイスキーを売った。

結果的に、材料であるウイスキーの売上を伸ばしました。

良いですか?

僕らの持っている商品や技術というのは、色んな見せ方があるということです。

機械屋さんが、機械を売らなくても良いわけです。

うどんの起業教室を開催して、生徒に自社の製麺機を売っている会社もあります。

あなたは、なにか固定観念を持っていませんか?

同じ商品や技術を持っていたとしても、「見せ方」を変えるだけで高く売れるし、ライバルが居なくなります。

つまり、

施術を売るために、施術を売る必要はないわけです。

例えば、治療院で、スポーツイベントを企画しても良いですよね?

治療院主催のスポーツイベントに、人を集めることを頑張る。

人が集まれば、自ずと施術って売れていきます。

真正面から施術を売るのが厳しい場合は、

全く違った側面からアプローチしてみるのも差別化する手段です。

山本