患者様を救うためにも、お金は必要だ

2013年10月6日

岡山駅前のタリーズより

おはようございます。ヨリミツです。

治療院の技術研修を終えて、新人のアルバイト君から質問を沢山受けました。

「先生、経営の本って、本屋に行ってもあんまりないんですけど、どうやって勉強してるんですか?」

「あー、それはね・・・◯◯をやれば経営はオッケー!!なんてキャッチコピーを書いた本をたまにみるけど、実際にはそんなことは絶対にありえないんだよ。やってみて、失敗して、改善して・・・。つまりテスト&エラーを繰り返して最適化を図っていくもの。なので「経営の本」なんて、ひとくくりにしてしまうと、自分の思っている本は、なかなかみつからないよね」

というような話をしました。

続けて、アルバイト君は、次のようにも言いました。

「やっぱ施術がよくないと患者さんは来てくれないですよね?」

うーん。やはり学生は、現場を知らないので、こう思うのも無理もない。

たしかに、商品の質が、ある程度のレベルに達していないと、さすがに厳しいと思います。

しかし、実際に売り上がっている治療院を見ても、治療の技術が著しく高いか?というと、そうでもないように感じます。

こんな話をすると「未熟な施術を売りつけるなんて酷いやつだ!」と不謹慎に感じる方も居るかもしれません。

でも、私はそうは思いません。

なぜならば、私たちはビジネスをしているのであって、世間に求められるモノを提供したら良いと思っているからです。

ぶっちゃけて言うと、患者さんはハイレベルな施術を求めていませんし、達人からしたら未熟な施術でも患者さんからするとありがたいサービスだったりするのです。

そもそも、世間に認められないものを販売していたら、市場原理が働いて、やっていけなくなります。

でも、多くの治療院をチェックしていると、未熟であろう技術の治療院が意外と流行っています。ってことは、「施術がいいから繁盛している」とは言いがたい現状なのです。

つまり、まだ患者さんは、施術の腕を見極められるほど、目が肥えていないことにもなります。

これはこれで、鍼灸院や整骨院の業界自体の世間認知度が足りないってことなので、悲しいことですよね。

だから、施術の腕のある方ほど、集客を頑張って「本当に良い施術」をできるだけ多くの患者様に受けてもらうべきなんです。

これが業界の健全化にもつながるわけで。

あなたは何のために治療院を経営している?

ところで、ビジネスの目的はなんでしょうか?

ズバッというと、ビジネスってのは、

「売り上げをあげて稼いだうえで、さて何をするか」

です。

治療院経営者は、治療というサービスを通して収益を得るのが第一。大義はその後だ、という話なのです。

他のビジネスでも一緒です。

大義名分や理念はどうあれ、大手電気屋さんなどは、電化製品を販売することによって収益を得ています。

今来ている、タリーズコーヒーも、コーヒーを販売することによって収益を得ています。

収益がなければ、広告宣伝ができませんので、そのおいしいコーヒーを世の中の人に知ってもらうこともできません。そうなると売れないので潰れるしかない。理念もクソもない。

ビジネスとは、これ以上でも、これ以下でもありません。

よく医療従事者は聖職者的な理論を述べる方がいらっしゃいますが、全くの間違いです。

そんな理論はあっても、そんな現実はありません。

聖職者を目指すなら、ボランティアをしてください。誰かから寄付を募って医療を提供すればよいのです。これなら間違いなく聖職者です。清貧というやつですね。清く貧乏。

そういうもの選ぶのもあなたの選択肢かもしれません。

でも、売上をあげなかったら、生活できませんし、そうなると、ボランティアすらできません。

マザー・テレサはお金を集めるのも上手だった

清貧とか、ボランティアと言えば、この人が一番に思い浮かびます。そうマザー・テレサ。

マザー・テレサといえば、慈善事業というか、貧しい人のために一生をささげた聖女というようなイメージがあるとおもいます。

これは、マスコミが作り上げたもので、現実ではそうではなくて、れっきとした事業家の一面がある肝っ玉母ちゃんでした。

こんなエピソードがあります。

マザー・テレサが世界的に有名になったときのこと。

ノーベル平和賞などをもらうようになると、そういう名声に乗っかりたい事業家たちが、売名的な寄付をしたりするようになりました。

まあ、東日本大震災のときに、多くの芸能人たちが、わざわざ名乗って寄付したときのようなものです。

あるとき、ローマ法王がマザー・テレサにロールスロイスを贈ったそうです。

マスコミも世間も、貧しき者の味方である清貧のマザー・テレサは、そんな売名行為の車なんて受け取らないだろうと思いました。

ところが、マザー・テレサは、世間の非難などものともせず、その寄贈のロールスロイスをあっさり受け取ります。

当然、マスコミや世間は、

「なんだ、マザー・テレサは清貧ではないではないか!有名になって、欲に目がくらんだか!金持ちに媚を売るようになったのか!」

と批判をしました。

では、マザー・テレサは、この高級車であるロールスロイスを、自分の贅沢のために乗ったのでしょうか?

当然、そんなことはしませんでした。

施設の運営資金にするために、そのロールスロイスを売ることもできましたが、そんな安易なこともしませんでした。

なんと、彼女は、自分の名声を使って、政治家や社会的有力者に協力してもらい、宝くじを企画したのです。

そして、その一等の賞品を、このロールスロイスにしたのです。

世間の人たちは、ノーベル平和賞を取り、世界的に有名になったマザー・テレサが提供してくれたロールスロイスが当たるかもしれない、と大勢詰めかけて宝くじを買いました。

売上は、あっという間にロールスロイスの一台の金額をはるかに上回り、その数百倍近くのお金を集めることに成功したのです。

そのお金は、貧しい人を助けるための施設の運営資金に。

現実の厳しさを知っているマザー・テレサは、自分の社会的な名声や政治力を大いに利用し、その売名目的の品でさえ平然と受け取りました。寄付した方の下心は十分承知の上で。

ましてや、それを最大限に、そして、したたかに利用し何百倍もの資金を集める手段にしたわけです。

マザー・テレサは、世間やマスコミになんと言われようと、ボランティア団体を運営するために、お金を稼いでいたのです。

このように、自分の理想を追求するためには必ずお金が必要です。

投資家に投資をしてもらうか、売上をあげるしかないのです。

さて、あなたは、お金を稼がずして、どうやって患者様を救うというのでしょうか?

ヨリミツ