健康保険の延長線上に現在の自費診療が位置​づけられており、どの様に差別化したら良い​か?

2017年7月5日

こんにちは。

YMC株式会社のヨリミツです。

本日も先生の経営に直結するネタをお届けしたいと思います。

よろしくお願いします。

先日、送付したメールで

  • 先生の疑問、質問にお答えします

という内容をだったのですが、早速、質問がゾクゾクと来ています。

質問が来た順番でお答えしていきます。

順番もありますので、まだ質問が取り上げられていない先生は、少しだけお待ちください。

早速ですが、ご紹介していきたいと思います。

初めまして、福井県にある整骨院で受付をしている◯◯と申します。

先生のメルマガを今まで拝読しておりましたが、今回質問に答えていただけるということで、メールさせていただきました。

質問ですが、ここ三年ほどの間に、少しづつ自費治療を、取り入れて来たのですが、現時点で保険診療、自費ともにほとんど同じような施術内容と時間、違うのは値段だけという状況なのです。

というのも、元々保険診療のみでそこにあれもこれもと付け足していって、本来保険で、出来る内容を大幅に超えてしまっていて、いざ保険と自費の差別化を、となった時に線引きがあいまいな感じになっているのです。

いま他の施術スタッフに、出されている指示は保険の患者さんを少しづつ時短で診ていくという事で、院長としてはそこで差別化をはかろうとされているんだと思うのですが、この場合どんなやり方でやっていくのが良いのでしょうか。

既存の保険診療の患者さんからしたら、不満など出ないか心配です。

私は資格もありませんし、三年前に初めてこの世界に飛び込んだので(笑)

先生からされたら、トンチンカンな質問かも分からないのですが、記事の中でお答えいただけると嬉しいです。

お忙しいところ、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

どうぞ宜しくお願い致します。

質問していただいたことに感謝しています。

ありがとうございました。

私はこの質問の内容を以下のようにとらえました。

「健康保険の延長線上に現在の自費診療が位置づけられており、どの様に差別化したら良いか?」

「また既存の保険診療の患者さんから不満が出て治療院から離脱しないか?」

この疑問、問題は、以前の私の治療院でもありました。

私の治療院も今では自費診療と自賠責保険の両者の収益だけになりましたが、昔はほとんどの治療院と同じ健康保険中心の治療院でした。

私どもがとったステップをまずは紹介したいと思います。

自費に移行していくときのステップ

まず、私たちは、健康保険の施術時間では物足りない患者さんように

  • 延長施術

というカタチで自費診療を取り入れました。

健康保険の延長線上ですので、既存患者さん、延長施術を受けられる患者さんとも大きな不満は出なかったように感じます。

その後、健康保険の情勢が悪くなる前に、健康保険の施術時間を短くしました。

これにより、自費の延長施術をオファーしやすくなりました。

その後、商品のネーミングを変えて、各種自費診療メニューを打ち出していきました。

眼精疲労、美顔、矯正などがそれにあたります。

この段階では各種メニューがある方が良いと感じていたのですが、問題もありました。

  • 用意しないといけない回数券の種類が増えること
  • 新たに入ったスタッフがメニューを覚えるのが大変なこと
  • 各種メニューがありすぎて施術者もその存在を忘れてしまうこと

などです。

この各種メニューがあった時期は長かったのですが、最近ではリラクゼーション店との市場競争もあり、戦略を再構築する必要があったので手技によるリラクゼーションのメニューは排除しました。

「治療院にしかできないメニューしか提供しない」

という方向性に切り替えました。

現在はこの流れにて利益率の向上を目指しています。

健保から自費へと、一気に切り替えるのは危険を伴う

この様に書いていくと、

「ステップを踏むのが大変なので、一気に最終的な方向性に持っていけば早いのではないか?」

この様に感じてしまいますが、私はそのように考えていません。

多くの治療院は大きな資本を持っていません。

数ヶ月資金繰りに余裕がなくなると院の存続自体が危うくなります。

ですので、少し変更して、売上が安定してきたら次の戦略を継ぎ足す。

このようなカタチが健全に運営を続けていく上で安全だと考えています。

質問者様の状況からすると、健康保険との差別化ができていないとのことでしたので、

この状況でしたら

  • 健康保険の患者さんの施術時間を短くする

というのは有効な選択肢ではないかと感じます。

健保から自費へと、移行すれば既存患者さんが離れるのではないか?

また、ここで気になるのは、健康保険で施術を受けてくださっている既存の患者さんの目線です。

  • 嫌がられるのではないか・・・
  • 来なくなるのではないか・・・
  • 変な評判を流されるのではないか・・・

さまざまな、思惑が浮かんできます。

そもそも、健康保険の施術時間を短くする、健康保険の売上の割合を減らしていくということは、ある意味「健康保険の患者さんをお断りする」という意味でもあります。

「今の治療院の売上の配分を、どれくらいの自費割合に変更していくのか?」

という部分を明確にして、治療院の方向性を決められると良いのではないかと思います。

しかし、そこで考えられるリスクは

  • 健康保険患者さんを時短にした結果、単純に客数が減り、売上がかなり減少する

ということです。

健保から自費へと移行したときに失敗する2つの要因

これには大まかには2つの要因が考えられます

  • 施術者が自費診療をしっかりオファーできていない。または提案能力を向上させる研修をしていない
  • 自費診療を受けたい患者さんを集客できていないので、健康保険を単純に減らしただけになった

この両者です。

自費診療に切り替えていくと、施術者の提案能力が、かなり売上を左右します。

これはセールス研修などを治療院でしっかり行い、どの様に顧客に施術を提案していく必要があります。

患者さんも、必要のない施術を買ってくれません。

「なぜ必要なのか?」

これを提案する能力を開発される必要があります。

そして集客の問題です。

今まで健康保険を受けていた人の多くは「安いから受けていた」という方がほとんどだと思います。

ですので自費診療に切り替えていく割合が多くなればなるほど、既存の顧客はいなくなります。

そもそも健康保険で施術を受けている人は安い施術を求めています。

金額があがるのなんてまっぴらなのです。

ですので

「ある程度金額は高くても、ちゃんと治療をしてもらいたい」

こういう顧客を集めてくる必要があります。

この両者が噛み合えば自費診療の売上もシッカリ上がってきます。

ここまでのステップも文章にすると短く終わってしまいますが、実際に実行しようとすると大変な苦労があります。

しかし、今後も地域の顧客に価値を提供していくために頑張って進んでいってもらいたいと思います。

少しでも質問者様の助言になると幸いです。

ヨリミツ